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2018年7月30日 (月曜日)

そんなことまで商売に?「退職代行業」に思う。

いま、日本は深刻な人材不足、というかそもそも労働力が不足しているので労働者不足です。だから政府は外国人労働者の「受け入れ」を急ぎ、労働力確保に必死になっています(これはこれで、労働条件など大問題があるけど、今回は触れません)。

労働力不足ということは、雇う側の競争が激しいということです。これが、さまざまな職場で発生している「辞めることができない問題」の根本です。この状況は小泉政権後期から第一次安倍政権で生じていた「やめられない問題」と少し違います。小泉政権下で行われていたのは、新自由主義的労働政策によってどんどん人件費が削られて(非正規労働力の導入と人事考課:成果主義の導入などで給与が抑えられて)、長時間労働が生まれて、そして「もうきつくてダメ」という状況に労働者が置かれたとき、使用者が「やめることはできない」「やめたら損害賠償」などと脅かしていたような「辞められない問題」でした。これは労働者の奴隷化問題とも思えたので、一時期「蟹工船」という奴隷労働ものの戦前小説がヒットしたのです。

ところで、いま生じている労働力不足による「辞められない」は、この新自由主義政策による「蟹工船的」労働者搾り取りというレベルから、また一歩進んでいると思います。

現在の「辞められない」問題は、本当に労働力不足によって生じています。背景には、決定的な要因として日本の人口減があり、さらに主にアジア地域での賃金の上昇(メーカーの国内生産への回帰=いずれロボット化が起きるけど当面は多くの労働力を必要とする)があります。これに、東京オリンピックを控えての現場労働者不足やこの先100年以上人材確保に苦しむであろう福島原発事故処理労働力不足が底辺にあり、これらのことに引きづられてサービス業の販売員不足、窓口サービス人材の不足・・・ばどなどが、まさにドミノ倒し的に生じているのです。

つまり、いまは労働者の立場が(賃金額の問題はあるけど)、雇用契約においては強いのです。そして、使用者(会社とか)はこの関係について弱いから、必死に「辞めたい」人を引き止めます。とくに「辞められる」と自分が困る「管理職」の必死さは異様なものがあります。いずれ、「高プロ」によって、過重労働を今以上に強いられるであろう、この「比較的高所得労働者」ですが、彼、彼女たちは、まだ日本の賃金が全体的に下がっている中では「辞められない」場合が多いといえます(でも、ごく最近は「転職業者・エージェント」の動きが活発化しているようで、この層の「上手く辞めたい問題」が生じているようです)。

このような日本の状況で、「退職代行」については、はっきり言って全く必要ありません。そもそも、退職は期間の定めがない雇用契約は原則的には14日前までに通告すれば自由にできます。1ヶ月の期間を定めた契約は1ヶ月前に通知すれば基本はOK。それ以上の有期雇用契約は契約内容によります。

期間に定めのない雇用契約の労働者が辞める場合は、諸々の仕事の引き継ぎなどを考え合わせ(年次有給の消化とか、退職金の計算とかもあります)、多少時期を調整できる場合は、数ヶ月前の退職意思の表明(労働者側からの雇用契約の解約通知ができれば更に問題なく、「円満」に退職できるわけです。

ポイントは、少し余裕を持って、雇用契約内容をよく確かめて(社長や上司が認めなければ辞められないとかいう規則があっても、それは法律に違反するので無効ですが、一応確認しておきます)、キチンと「退職届」を文書で提出することです。

この場合くれぐれも「退職願い」にしてはならないということを押さえたく思います(「退職願い」は「願い」なので、会社の判断を待つという意味合いが出てしまいます)。そして、この「退職届」を会社側が受け取らなかったら、配達証明郵便とか内容証明郵便とか記録の残る形式で代表取締役宛に送付します(これも、上司ではなく代表取締役宛がよいです。ただし、就業規則などに「上司」でもOKとあれば担当する上司でもかまいません)。ネット上では「メールでの届け出で良い」という情報もありますが、メールは雇用契約に関わるような重大な情報に関する管理がどうなっているかわかりにくく、避けた方が良いです(ただし、メールでしか情報の伝達ができないような外資系の企業などはメールで伝えます)。

あとは、働きながらゆっくり私物を片付けて(辞める前に会社からの支給物と私物との区分けははっきりしておきましょう)、届け出通知した日以降は出社しないこと。この最後の日々は有給休暇の消化が可能ならば、有給休暇を消化します(有給休暇は「辞めた後」では使えません)。

こう見てくると「退職代行」はいったい、どうして必要なのかわかりません。「代行」には5万円ほどの「料金」がかかるとの情報もありますが(すべての業者が同じではない)、そもそも、「退職」は労働者と使用者の間の雇用契約の解約に関する話です。本来ならば、正式な代理人になれる弁護士の仕事です(労災ではない病気や事故問題を抱えている場合は労働者の立場に立つ弁護士を代理人とするのは有力な選択肢の一つです)。そうでなければ、単なるアドバイス・仲介ですが、これは法的にはどうか? また司法書士などが関係して文書作成料としての代金が生じるのか?このばあいは、会社が「認めない」と言ったときに、どこまでフォローがなされるのか?

労働組合は、このような退職トラブルは個人加盟方式の合同労組(ユニオン)が扱うことが多くあります。ユニオンの場合は「退職問題」は経営者との交渉なります。その場合はユニオンへの加盟が条件になるのですが(ユニオンの組合員としての退職条件交渉は、未払いになっている時間外労働賃金や諸手当についての支給を使用者=会社求めることがあります)、ユニオンによっては相談のみを受けてくれるところもあります。この場合は基本的相談料は無料です。

ユニオンが、その相談に来た労働者が加入することを視野に入れて相談を受けていると、この相談の結果(会社とのやりとりによって)、使用者=会社が労働者に不利益を与えることは違法(不当労働行為)になります。これは労働組合(その組合員)にのみ与えられている強い権利です。さらに、この労働組合員としての権利は、その労働者が次の会社に入るに当たって、ユニオンで交渉した事実や経過は伝えなくてもよい(逆に使用者は労働者にそのことを聞いてはならない)という法的な保護ともなります。

「退職代行業」って、なに? 

法のもとで労働者は自由に会社を辞めることができます。それなのに、労働者は簡単には会社を「辞められない」という俗説をもとにして、労働者の危機感を煽って仕事にしている? のでなければ良いと思います。

とにかく、退職問題は近くのユニオンに相談を。そこで、相談にもお金がかかるようなことを言われたら、それ、名ばかりユニオン(そういう仕事)なので、次を当たりましょう。

2018年7月 5日 (木曜日)

NU東京結成20周年を祝う会が持たれました。

1998年2月27日に労働組合ネットワークユニオNu20aン東京が結成されてから、今年で20年。NU東京では20年を記念する企画をいくつか行っていますが、その一つとして6月30日に「祝う会」が渋谷勤労福祉会館で行われました。

この会は、とにかく「20年活動できた」ことを祝い、組合員や仲間の労働組合と20年を振り返るものとなりました。参加者は組合員、他労組来賓、弁護士(8名)などの約80名。結成の経過からみて「親」である、東京管理職ユニオンと東京統一管理職ユニオンの両組合委員長も駆けつけていただき、終始和やかに進行できました。

Nu20b_3この会の直前には、参議院で「働き方改革」法が自民党が国民民主党なども抱き込んで成立する大問題がありました。労働組合・ユニオンの活動は更に強められなければならない情勢です。NU東京は今後も小さいながらも、労働者の権利と生活のために原則的に活動していきたく思います。

写真は、20年を祝う会で、東京東部総行動の「行動案内旗=先導旗」をNU東京20年を記念して作成、東部総行動実行委員会にお渡ししたときのもの。2枚目は、この会第2部(午後6時から)の記念講演の模様です(講師は全国一般東京南部書記長の中島由美子さん)。中島さんからは、現在のユニオン、労働組合の問題点を、ざっくばらんに語っていただきました。

2018年4月16日 (月曜日)

「突然の配転」の原因、労働者不足を認識できない会社の経営危機

最近、ユニオンの相談で目立つ内容に、「突然の配転」があります。

相談を寄せてくる労働者にとっては、思いもよらぬ部署や、縁が無かった営業所や支店への配転ということで、話を聞いていると、どうも退職勧奨含みの嫌がらせや、人件費削減のための不利益変更でも無いようです。

では、なぜ「突然の配転」?

いくつかの相談に共通項がありました。つまり、「人がいなくなった」ということ。

それまで、各職場で中心となっているような労働者、あるいは勤続が長くて、仕事を熟知していた労働者が「急にいなくなって」その職場がまわらなくなってしまうケース。だから他の営業所や遠隔地の職場かから急遽の人員補充をしなくてはならず、それが、その対象となった労働者にとっては「ありえない」ような、急な配転・業務命令となっているようです。

なぜ、人がいなくなるのか?

それも話を聞けば分かります。つまるところ、労働条件や労働環境が悪くて、転職動機が強く働くような職場、そういうところから人が逃げはじめているのです。

会社側がいつまでも労働力は買い手市場だなんて思っているから、こういうことになるわけです。実は労働力不足は2010年くらいから始まっているのですが、それが企業にはなかなか認識されていなかったのです。2,011年3月の東日本大地震とその後の「ガンバロウ日本」的な風潮は、実は労働力不足になって、現場では過重労働が発生している状況を、正しく認識できなくしていたようです。

しかし、昨年春あたりからの「求人難」「新卒者の内定辞退続出」さらには、今後1年間に50万人ずつ減り続ける日本の将来の姿、ということが誰の目にも明らかになり、そして、急激な「人手不足感」が雇う方にも雇われる方にも拡がりました。

とくに、労働者には同様の仕事内容の会社との賃金その他の格差が目につくようになり、また「人手不足」で転職の可能性も出てきたために、転職動機が高まりました。

そして、いま「突然の配転」問題が、労働現場で発生しはじめているのです。

この問題はとくに不当に低い賃金、ただ働き的時間外労働で過重労働が発生している会社によく見られるようです。低い労働条件でも、しかたなく働いていた労働者(生活があるから簡単には転職できません)の弱みにつけ込むように、酷使していた会社には、罰が当たったともいえるのですが、それでも、やはり突然の配転」でまず苦しむのは、労働者です。そして、低い労働条件を強いてきた会社は、なかなかこの問題を認識できずに、結果、人が集まらず、経営危機を迎えるのかもしれません。

先日、とある会社での団交のこと。この会社は低い労働条件を強いています。そして、まだそれを改めようとしないので人が集まらないのですが、取締役曰く「そんなのは根性が無いからだ」だそうです。

「この会社、まもなく経営危機になるな」と、思いました。

2017年3月13日 (月曜日)

月100時間、2ヶ月連続80時間の時間外労働!過労死労働の合法化は許されない。

政府の「働き方改革会議」は、時間外労働時間の上限を月100時間、2ヶ月連続で80時間の水準に定めたようです。

まさに過労死水準の合法化です。

月100時間の時間外労働とはどのようなものなのか?

まず朝9時に出社。12時から13時まで昼休み。13時から18時までまた働き。法を守るならば、ここで30分休憩。そして時間外労働時間に入り。月の労働日が22日ならば、そこから4~5時間働く。時間はすでに23時にもなろうとしています。そして退勤(これは早出や残業において、カウントされない「サービス時間」=早出で書類やファイルの整理あるいは掃除をするとか、昼休みも電話が来たら仕事するとか=がない場合です)。

通勤に片道1時間かかる人は(ただし時間が遅くなると、より以上通勤時間がかかる)、夜中の0時前後に帰宅です。途中コンビニに行ったり、家に戻ってからシャワー浴びたり、雑事をこなせば寝るのは早くて深夜2時頃(途中で眠りに落ちるかも)・・・。

で、また朝は8時前には起きなければなりません。これでは会社のための奴隷です。自分お時間は全くありません。そして疲れ切って。土・日・祝祭日は休むだけ。

これが月80時間労働でも同じようなものです。大差はありません。

政府は、そして大企業企業組合の寄り集まりの連合は、これをもって「働き方改革」とするのですが・・・・。

「汝臣民、過労死せよ」。です。

2017年3月 6日 (月曜日)

これは既に異常な国家になっているのでは?労働運動から安倍政権の腐敗を考える。

森友学園問題に加計学園問題、これほどの利益誘導・政権腐問題が生じても、開き直り続けている政権は.戦後初めてではないでしょうか?

国家主義、偏狭な民族主義を全面に押し出して、憲法改正を宣言する安倍政権。一方では、不平等社会・格差社会の改革なしには実現できようもない、同一労働同一賃金を掲げたり、破綻して久しいアベノミクス(最近は、さすがにこの言葉を、あまり語らなくなっている?)を成功したと言い切り、「ナチスの手法」で世論を操作しています。このような政権の姿を見るにつけ、既に日本は怪しい国家になっているのだと思うのです。ただ、海の向こうのトランプ政権や中国、韓国、北朝鮮そしてフィリッピンなどの国々も、同じように「怪しい政権があり、それぞれが社会矛盾を強権や対外的対立政策でごまかす道を歩んでいるので、相対的に見て、日本の怪しさがわかりにくいのかもしれません。

後の時代になって、「安倍政権」の異常さは実感されると思いますが、それは戦前の国家神道・軍国主義日本の姿を、当時の人々の多くが俯瞰できなかったことと同じ。後の祭りにならないように、いまの日本を見ておく必要があると、強く思います。

ところで、いまの日本について、私たちは労働組合は、当然、労働問題を考える中で見ます。「労働」を基本に世界を見ること。これが労働運動の視点です。そうすると・・・・。

アベノミクスの元で、賃金は上がりません。政権が肩入れする企業の利益は、内部留保と株主配当で、消えてしまいます。そして日本においては富裕層が日に日に肥え太っていきます。一握りの富裕層が社会の富を独占する状況が生まれています(麻生一族や安倍・岸一族は典型的な富裕層です。富裕層の中から国会議員達が生まれ、富裕層が有名大学の学生となっていきます)。

労働者はの生活は苦しいまま。年金システムの破綻で65歳まで働かざるを得ず、65以降も安心した生活は全くありません。それなのに、政府はそんな労働者に「労働者でない」労働をしたらどうかと、ささやいています。「一人ひとりが輝く」働き方。それは労働者の個人事業主化でもあります。要は「労働者」が居なくなって「個人事業主」になれば、日本の労働者の問題は解決すると? そして「一億総活躍」云々。

現実は、「プレミアムフライデー」が名ばかりなように、いっこうに労働環境・労働条件は改善しません。時間外労働問題にしても、油断していると、過労死水準を遙かに超えた月に100時間の残業が合法化される恐れすらあります。(深刻な過重労働・時間外労働をいかになくすか、ということからはじまった時間外労働規制の動きが、このような形で集約されるとは・・・)。

この数年の動きをしっかりと見るならば(政権の美辞麗句に惑わされないで)安倍政権のもとで、日本の経済政策と労働政策は完全に破綻しているといえます。東芝の破綻だって、安倍政権が無理矢理原発を国家事業の中心に据えた結果です(これについては民主党と連合の責任も大きいですが、3.11を経過して政権について、原発を産業の中心に据え続けた安倍政権の責任も大)。

あとは、軍事産業の育成? と戦争への参加?

しかし、労働者の生活はどうする?労働力不足は?福祉は?そして福祉労働者の生活は?

安倍政権は一面、神がかりでもあります。非理性的で前近代的な国家主義イデオロギーで自らもマインドコントロールしている。しかし、それは幻想に過ぎないから(かなり危険な幻想です)決して現実の問題を解決できない。

労働者条件、労働環境問題がなにひとつ解決していない安部政権下で労働運動に携わっていると、今の日本の状況は、本当に恐ろしく見えます。

安倍政権、早く終わらせないと、労働者の生活。そして、日本は大変なことになってしまいます。

2017年1月31日 (火曜日)

セブンイレブンのバイトが風邪で休んだら10時間分減給。ブラックにもほどがある!

セブンイレブン加盟店(東京都)が、風邪で欠勤したバイト店員に罰金を課したという報道がありました。25時間働いたのにも拘わらず、二日間欠勤したこと(当該アルバイトが代わりの店員を用意しなかった)を理由に、10時間分の9350円を差し引いたというのです。もちろん、この減額分は「働かなかった」時間でなく「風邪で休んでいた」時間に対してのものです。つまりセブンイレブン側は、働いた賃金のうちから10時間分を罰金として差し引いたということになります。

これは、もちろん違法。まず、風邪(風邪ならば人にうつります)の人が接客する場に出ることを避けて仕事を休むこと、これは正しい行為です。そして、このような場合、労働者には仕事をやすむ権利があります。この休みを取る権利を阻害することはできません。

次に、「罰金」を課すことが違法。そもそも、この場合、罰金の対象になるはずがありません。セブンイレブン側は、代替要員を(バイト側が)用意しなかったことを理由にしているようですが、人員の確保の責任は使用者側にあります。また、風邪(病気)で休むほどの人に代替要員を探すように求めること自体不当です。

そして、罰金の位置づけ、その罰金(この言葉はふさわしくなく、「減給」や「労働者側の責任がはっきりしている損害分の賠償」だと思いますが)については、キチンと会社就業規則の「罰則規定」に定められている必要があります。また、定められているとしても、限度があります(懲戒としての減給は1日の給与の10分の1まで)。今回の場合は、このような規定などなく、本来雇い主側に責任がある人員手配をバイトが行わなかったから10時間分の差し引いたわけで、これは完全に違法です。

問題は、時折このような違法行為を行う雇い主がいることです。ここまでの金額で無くても、仕事の「ミス」で500円とか1000円とかのペナルティーをとったり、余計働かせたり、病気になっても休みを取らせなかったりという相談が時折ユニオンに寄せられます。

働いた分の賃金を支払わないのは、泥棒行為と同じことで犯罪です。今回のセブンイレブンの問題については、犯罪を犯したのはどちらか?明白です。このセブンイレブン経営者には相応のペナルティーが課せられても良いと思います。

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(以下、朝日新聞サイトからの引用)

 コンビニエンスストアを展開するセブン―イレブン・ジャパンの東京都武蔵野市内の加盟店が1月、アルバイトの女子高校生(16)のバイト代から、かぜで2日欠勤したペナルティーとして、9350円を差し引いていた。

 親会社のセブン&アイ・ホールディングスの広報センターによると、加盟店は高校生側に「欠勤時に代わりに働くアルバイトをさがさなかったペナルティー」と説明。保護者の相談で発覚し、セブン―イレブン・ジャパンは「ペナルティーの理由が不適切で、減給の額も労働基準法に違反している」として、加盟店に高校生への謝罪と全額の返還を指示したという。

 高校生は5日間(25時間)の勤務分として2万3375円を受け取るはずだったが、加盟店は2日間(10時間)分の欠勤があったとして、給与明細に「ペナルティ」と手書きし、9350円を差し引いた。

(以下略)
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2015年12月21日 (月曜日)

ブラック社労士問題。私たちが経験している消極的なブラック社労士たち。

東海地方に事務所を構えるK社労士が、自身のブログで「社員をうつ病に罹患させる方法」というとんでもないタイトルを掲げて、権利主張を行う社員(K社労士はこれを「モンスター社員」などとの蔑称を用いている)は嫌がらせを行い、うつ病にして会社から追い出せば良い旨の「経営指南」をおこなっていました。日本労働弁護団や過労死問題に取り組む団体、POSSEなどの労働組織が、厚労省にこの社労士の懲戒処分を求めましたが(12月18日)、このニュースは、改めてブラック士業の問題を社会に問うものとなりました。

多くのマスメディアやブログ、SNS上で取り上げられているので改めて、問題を要約することを避けますが(この問題については、NPO法人POSSEの今野晴貴代表の見解と分析がわかりやすいので、ググってみてください)、わが「かわせみ通信」では、私たちが最近遭遇したブラック社労士まがいの社労士の行為についていくつか例を挙げます。

1、解雇問題について、会社(海外で事業展開する設計事務所)と労働組合で交渉している状況で、組合が会社に対して解雇理由を求めたところ(会社の経営悪化が理由と考えられるケース)、出された離職票に「重責解雇」(懲戒解雇に相当)するとしたケース。

 この離職票は会社社労士が作成したとされるが、重責(懲戒)解雇にもかかわらず労基署の承認もなく、かつ「懲戒理由」も本人も組合もはじめて聞くものでした。曰く「仕事が出来なかったから」と・・・・。百歩譲って仕事能力がないとしても「懲戒」はあり得ません。ましてや解雇された本人は、2級建築士であり、外国語も堪能です。この解雇理由はあり得ないのですが、社労士はその離職票をいきなり作成したのでした。

 この問題のバックにはブラックならぬ労働事件について知識のない弁護士がついていました。この弁護士たちは、自分たちのデタラメを覆い隠すために、社労士会に抗議し、弁護士会に懲戒請求を起こした私たちに(事実無根の)「損害請求訴訟」まで起こしました。まさに嫌がらせ訴訟です。そしてこの段階で、彼らは完全にブラックになりました。

 訴訟では私たち労組側が勝利し、そして離職票問題も解決しましたが(ハローワークがそのような離職票を受け取ったこと自体を間違いと認めた)、その結末は・・・。会社は一連の裁判や争議に耐えきれずに倒産してしまったのです。

 無知な社労士や弁護士が、自ら事件を引き起こして、そして結局は会社が全面的に敗北しさらには経営の破綻まで起こしたケースです。

2、特定社労士でもない社労士が労使交渉に介入して、問題を複雑化させたケース。

 神奈川の学習塾(ブラック業界と言われていますが)で、ハラスメントと過重労働で就労困難になった労働者の問題について、会社側と組合が交渉をしている状況で、会社側社労士(特定社労士ではない)が、一方的に当該労働者を解雇しながらも離職票を送らず、また解雇予告手当も支給しないという手段を取りました(傷病手当についての知識も極めて怪しいものでした)。

 加えて、この社労士は特定社労士でないにもかかわらず団体交渉に登場し、会社側の発言について「法的に問題がない」(不当労働行為発言など言い放題の会社ですが)「法律でそうなっている」などと発言しつづけました。さらに、団体交渉に必要な労働条件に関する資料の提示を「必要ない」などと、何の権限も責任もなく発言し、交渉の成立を困難にしました。

 このケースの場合、組合は社労士の所属する社労士会に業務監査を求めました。またこの問題については労働審判で(時間外賃金未払い問題含め)組合側が勝利的に解決しました。このような社労士は、会社の違法を追認するためだけの役割を果たした、消極的なブラック社労士といえます。

3、労使交渉のさなかに、雇い止め通知を「書かされた」社労士。

 東京の半導体関連製造業で高年法による雇用延長をめぐって、労使交渉で再雇用後の労働条件を労使間で交渉してるときに、会社側は一方的に組合との交渉で合意がなかったので再雇用をしないとし、「自己都合による退職」との離職票を当該労働者に渡したケース。

 解雇は不当としても明らかに会社都合であるのに「自己都合」したのは、会社の社労士であると判明。社労士には強く抗議したところ、社労士はそもそも本件問題に関しての知識がほとんどなく、会社側弁護士(経営法曹会議所属の比較的若い弁護士)の指示によるものとしました。

 会社は、このほかにも時間外賃金を一切払わず。会社側弁護士労使交渉において、労基署への相談を組合が語ると「そのようなことをすると、今後交渉は持てない」「(組合の役員について)もう辞めたらどうか」など違法発言(労基法違反や労働組合法違反)を行う始末です。

 現在、再雇用については争議状態になっていますが、労基署の指導の下で未払い時間外賃金の一部が支給されました。

 以上、3つのケースは、私たちがこの数年間に経験したケースです。個々に登場する社労士たちは基本的には「無知」であり「違法企業の言いなり」に動いています。このような社労士は「消極的なブラック」といえます。

(カワセミ)

2015年12月15日 (火曜日)

個人加盟労組ということの意味(その2-「個人」の変化1)

日本における合同労組の結成は、戦前は左翼的イデオロギーのもとで、そして戦後はGHQの戦後民主化政策と総評の「中小対策オルグ」配置によって進められてきました。

ここでいう合同労組は、職場組織を作ること、あるいは職場組織単位の活動を前提としての合同労組です。この合同労組の形成と運営には、その地域や産業(産別)に対応して配置されたオルグ(オルガナイザー:労働組合の組織者)が当たりました。

戦後(とくに1950年代から70年代)は、大企業労組ではカバーできない中小企業の労働者の組織化のために、オルグが地域に張り付いて、文字通り労働者を一人ひとり合同労組にオルグして、そしてその企業で一定の影響力を行使できる段階になると職場組織を「公然化」(組合作りが経営側に知られると、その切り崩しが行われるために、職場組織の結成通告までは、経営側に知られないように組合を準備する)しました。公然化後は同じ地域や同じ業種の労働組合の力を借りて、労働者の要求実現のために活動する形になります。

この、戦前・戦後タイプの合同労組(以後、「合同労組オリジナル」とします)とはあくまでも職場組織を前提とした合同労組なのです。この場合の「個人加盟」とは、労働組合を準備するための地域合同労組などへの個人加盟であり、その職場組合組織が結成された以降は、その職場組織の上部団体への個人加盟ということになることが多かったのです(組合結成後に、その合同労組が「企業内組合」化して、合同労組から離れてしまう場合は、その企業内労組への個人加盟となります)。

ところで、昨今の個人加盟労働組合(地域ユニオンや課題別ユニオン=これを仮に「ユニオンタイプ」とします)の場合、「個人加盟」の意味合いが「合同労組オリジナル」とはかなり性格が違います。

「ユニオンタイプ」では、「合同労組オリジナル」のように、オルガナイザーが地域でビラを配ったり、職場近くの労働者のたまり場(職場近くの居酒屋とか、地域の文化・スポーツサークルとか)で顔見知りになったりした労働者をオルグ(組合へ勧誘して)して加入させる、という経過をとらないことが多いのです。どのような形をとるかと言えば、ホームページやブログあるいはSNSなどのWEB情報、マスメディアの報道などによって、個別労働問題(解雇や退職勧奨やハラスメント、病気休職問題など)の相談や解決を求めて、個人労働者の方から労働組合に接触をしてくるのです。そして、ユニオンはこの相談に対応する中で、その相談に来た個人の問題の解決について、雇用主に対して団体交渉を申し入れます。「合同労組オリジナル」タイプでの公然化は、ユニオンタイプではいわば「ひとり公然化」として行われることが多いのです(ただし、オリジナルタイプの伝統を持つ「合同労組」は現在でも、一定の組合員が揃うまでは公然化しないことがあります)。

労働相談から、短期間のうちに労働組合に加入して、個人組合員の労働条件や労働環境について団結権と団交権を行使する。これがユニオンタイプの活動の特徴で、だから、ユニオンタイプは完全個人型合同労組ともいえます。

このオリジナルタイプからユニオンタイプへの「個人加盟」の変化にはそれなりの背景があると考えられます。詳しくは次回以降に考えたく思いますが、変化の背景として次のようなことが挙げられます。

1、労働組合の企業内化:企業別組合が企業内の労働管理部門的な役割になってしまい、地域の労働者の生活や権利について関心がなくなったこと(とくに、産業別大企業労組は無関心)

2、産業構造の変化:戦前・戦後の労働集約型で工業中心の「職場」から商業、金融、サービス業中心となり(1980年代が変わり目)、労働形態、就業状況が大きく変化したこと

3、一つの職場に働く労働者の居住地が多様化し、かつ遠隔地化したこと、あるいは個々人の思考の多様化によって、同じ職場に働く人が集まる場が少なくなった(社員旅行の中止などは象徴的)こと

4、情報処理手段の変化(IT革命以降)によって、一つの職場に働く人たちの情報交換の形態が大きく変わったこと

5、労働者一人一人の保有する情報量が桁違いに大きくなった(PCのHDD、あるいはデータ記憶媒体の中には、一人の人間が一生かけても読み切れないほどのデータが有り、また、個人が利用できるWEB上のデータは(労働分野に限っても)無限と思われるほどである、ということ

6、情報の横溢に反して、個人情報の保護や企業情報の秘密管理については厳格化されていて、特定の「他者」(隣で働いている人とか)の情報が得られにくい社会になっていること

以上の他にもまだあると思いますが、仕事と個人のあり方が数十年間の間に大きく変化した日本において、合同労組の活動スタイルや、個人加盟労組における「個人」の位置づけも大きく変化してきたのです。

(つづく)

カワセミ

2015年12月 1日 (火曜日)

私たちの組合(ユニオン)のこと ☆その3 全国一般労働組合のこと

私たちのユニオン(労働組合)が、合同労働組合であり、さらに「一人でも加入できる合同労働組合」(職場組織単位ではなく個人個人が加入する合同組合)であること、そして、それは全国一般労働組合という合同労働組合の系統上に位置づけられること、については前回までに書きました。

では、全国一般労働組合とは何か?「全国」はわかるが「一般労働組合」とは何か?あるいは「全国一般」「労働組合」と区切って、その名前の意味をとれば良いのか?

こんな疑問は、まず「一般的」には生じません。このような疑問を持つ人は、何らかの形で労働組合運動やその組織に接し(たとえば会社経営者とか労務担当とかの人)、、さて、いま私が直面しているこの組織の名前は、どういう意味を含んでいるのか?と考えるときにしか生じない「疑問」だと思います。

個々の労働組合の名称はどう付けてもかまいません。たとえば「紅葉」でも「かわせみ」でも良いのです。「労働組合かわせみは、以下の議題での団体交渉を、1週間以内に開催するよう会社に求めます」というような文書もありうるのです。これに対して、会社が「そんなふざけた名称の労働組合とは団体交渉を行わない、名前を会社にふさわしいものに変えろ」などとしたら、それは労働組合法違反となります(団体交渉拒否と組合活動への支配介入という、労働組合法第7条に定められている不当労働行為の二項と三項に当たります)。で、「労働組合かわせみ」ならば、まずは構成員が「鳥」のカワセミであるわけがありません。考えられることは組合員の多くがカワセミが好きだとか、会社のロゴやマスコットにカワセミが使われているとか、あるいは会社の敷地内にカワセミの営巣地とか餌場があって、なんとなく「かわせみ」といえば、その会社のイメージであるとか・・・・。とにかく労働組合名は会社や組合の何らかの性格・特徴を繁栄しているはずです(まったくイメージが結びつかない名前は、とても使いにくいので、まずは使われないと思います)。

全国一般労働組合とは、いま労働組合関係の人に、それもかなり民間の労働組合運動に関わっている人に聞けば、たぶん「それは中小企業の労働組合だよ」とか「いろいろな産業の中小規模企業の組合だ」とか「労働争議をよく行っている組合だ」などと答えてくれるはずです。

全国一般労働組合という名称は、「中小企業」の労働組合あるいは中小企業の労働運動と関連する名称のようです。

ここで、文献にあたります。

1981年に刊行された「戦後中小企業争議史」(労働教育センター)という本があります。書いたのは倉持米一氏。倉持さんは既に1984年の2月に63歳で他界されていますが、全国一般労働組合の結成には、その中心で尽力された方です。その「中小企業争議史」には合同労組のこと、全国一般労働組合のことが述べられています。

「その当時(1951年頃)、中小企業の労働組合を数多く抱えている単産といえば、全国金属、化学同盟、それに私たち全木産でした(中略)、中小企業労働者の組織化をどうすすめていくか、ということを集まって論議すれば、いつもカチャガチャ論争になりました。その論争は、端的にいえば、中小の労働組合を産業別に整理して、それぞれの単産が指導するとする“産業別整理論”と、各地域に、産業の違いをこえた合同労組をつくり、それを全国的に結集し、全体的、統一的な視野で中小企業労働運動を指導しようとする“合同労組論”の対立でした」(同書27ページ)

「“合同労組論”の基本的考え方は、(1)中小企業労働者の組織化に、全国的、統一的に対処する。(2)そのためには、各地域の実情を十分考慮に入れた地域合同労組を結成し、官公労、民間大単産の援助を受ける。(3)個人加盟を原則とする。という点にまとめられるだろうと思います」(同書28ページ)

そして全国規模の「一般産業」(木材・木製品産業、商業、サービス産業、事務)労働者などを対象とした合同労働組合である全国一般労働組合が結成されたといいます。

その全国一般労働組合の系譜を私たちNU東京は受け継いでいます。

ところで、全国一般労働組合が、中小企業の、その他一般の労働者を対象にして結成されたのは、いまから60年ほど前。その当時は、労働組合の組織率は35%ほどもあったといいます(現在は17%ほど)。そしてほとんどの労働組合は正規雇用の工場労働者によって成り立っていました。隔世の感があります。現在、日本の労働者の40%は派遣、契約、パートなどの「非正規」であり、また多くの労働者が働いている産業は商業、サービスであり、職種も事務・販売・営業が多くて、それらは、かつて少数で「その他労働者」とされていた「一般労働者」です。

現在は一般労働者の時代、しかも無権利で組織されていない一般労働者の時代である、ととらえ返すならば、今日における合同労働組合(地域ユニオンなど)の重要性が感じられます。

(かわせみ)

2015年11月24日 (火曜日)

私たちの組合(ユニオン)のこと ☆その2 私たちのルーツ

私たちの組合(労働組合ネットワークユニオン東京/NU東京)、は1998年2月27日に結成されました。当時の本部は板橋区の板橋1丁目。中山道沿いにありました。そして、その場所は「東京管理職ユニオン」の事務所でもありました。

私たちNU東京は、東京管理職ユニオン(当時の正式名称は全労協全国一般東京労働組合管理職ユニオン、現在その運動は、東京管理職ユニオン、東京統一管理職ユニオン、管理職ユニオン・関西に分かれながらも、それぞれの組織が引き継いでいます)の活動の中から生まれた組織なのです。

1993年12月に東京管理職ユニオンは労働組合に入れないといわれていた、管理職が一人でも加入できる労働組合として、やはり個人でも加入できる合同労働組合である「全労協全国一般東京労働組合(東京労組)」の一組織として結成されました(後、東京労組から独立)。そして、東京管理職ユニオンは、管理職が直面する労働問題とともに1990年代中期、日本に吹き荒れたリストラの嵐の中で強まっていた、職場いじめ問題やメンタルヘルス問題にも積極的に取り組み、「職場いじめ問題」「リストラ部屋問題」「過重労働によるメンタル問題」などを社会に提起しました。

このような、管理職ユニオンの多様な活動の中、管理職ユニオンには、管理職でない労働者も多く加入することになり(20数年前の当時は、まだ職場いじめ・嫌がらせ問題や、職場でのメンタルヘルス問題を取り上げる労働組合は数少なかったのです)、そして、これら管理職ユニオンに加入した「非管理職」労働者のためのユニオンを結成する必要が生まれたのです。

以上のような経過で、私たちNU東京は結成され、そして、結成以降は(全国の)嫌がらせ問題やメンタルヘルス問題に対応するようになり、結成直後から「倒産・リストラホットライン」「若者トラブル・ホットライン」などを必要に応じて開設し、その活動は多くのマスメディアも取り上げるようになりました。

やがて、管理職ユニオン・関西が西日本の「非管理職」のいじめ問題に取り組むようになり、また全国各地の地域ユニオンも積極的に職場いじめ問題やメンタルヘルス問題に取り組むようになったために、現在のように東京地域(とくに隅田川の東側の23区地域)の地域合同労組として、渋谷区の事務所で活動を行うようになりました。(途中1999年夏から2002年3月までは西新宿に事務所がありました)

以上が、私たちの組織の来歴です。整理すると旧総評全国一般労働組合東京地本北部が基になって形作られた「全国一般東京労組」を源流とし、東京管理職ユニオンを「親」にして形作られ、そして現在は独自の(小さいけれども)個人加盟地域合同労組/ユニオンとして、東京渋谷区に本部をもって活動しているのが、私たちNU東京です。

次回は、全国一般系の合同労組の特徴などについて記事をアップしたいと思います。

かわせみ

(続く)

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