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2019年1月22日 (火曜日)

どこまで有効?「年5日の年次有給休暇の確実な取得」について考える。

「やってみるもんです中小企業も!働き方改革

1.有給休暇年5日取得

2.時間外労働の上限

3.同一労働同一賃金

という、厚労省・中小企業庁名がある政府広報が、今朝(1月22日)新聞などに一斉に掲載されました。

4月1日からの労働基準法などの「改正」に合わせた政府広報ですが・・・・。

そもそも、データねつ造と改ざんによってなんら信頼性がない厚労省ですが、今回の「働き方改革」にしても、過労死水準を認めるような「時間外労働」を合法としたり、基準が曖昧な「同一労働同一賃金」をとなえつつ、低い方に賃金を合わせかねないような運用が想定されるなど問題ばかり。「やってみるもんです」っていっても、これは「過労死水準までの時間外労働も合法だからやってみましょう」とも感じてしまいます。

ある面で4月1日からの「働き方改革」の目玉である「有給休暇の年5日取得」ですが、これもかなり運用面では怪しいのではないでしょうか?

そもそも、年次有給休暇とは、労働者が理由の如何を問われることなく取得できる権利です。それは週30時間以上働く労働者の場合(30時間未満でも週5日以上、年217日以上)、雇用されて6ヶ月経つと10日(会社の規定等によっては10日以上でも良い)発生し、その後1年で11日、12日・・・・20日(6年半)と法定の最低日数が増えていくもの。この消化残日数は1年間の繰り越しができるから、年20日の有給を持つ労働者が、それを全く消化していないと翌年は40日の有給休暇を取得できるわけです。

また、この有給休暇は労働者を休ませるための制度なので、退職時以外は買い上げることはできません(使用者は退職時に買い上げなくてもよい、ということに注意!)。

で、この有給休暇の取得率が悪いから、年10日以上の有給休暇がある労働者には年5日の取得が可能なよう法で使用者に義務づけたという次第。ただし、有休日数が10日の労働者については企業の「年次有給」の計画給付が5日予定されている者や、既に5日以上の有休を取得したり、計画したりしている者は対象外とのこと。

なんで?と思ってしまいます。日本には全く年次有給休暇を取れない、あるいはとらせてもらえないようなブラックな企業が多くあります。また、自由に取得できるこの休暇なのに「理由」を聞き、その理由が経営者の意に沿わないと与えないということもしばしば起きています。そんななか、繰り越し分を含めて年30日以上の労働者に対しても、5日間だけ与えれば済むということ? せめて、「有給残の半数を必ず取得させること」としなければ、権利である有給は繰り越し(時効)の壁の前に消えていってしまいます。

それに、「使用者が労働者に取得時季の意見を聴取」するっていうのも、運用によっては、有給休暇の自由な取得を阻害する恐れがあります。

そして、今回の広報ではパートや短時間労働者の有給休暇には触れていません。たとえば週2日、30時間未満働いている労働者にも6月経つと3日、翌年は4日・・・と年7日まで法定の最低限有休が発生しますが、今回の法改正・政府広報では無視です。週4日で30時間未満の場合は3年6ヶ月経つと、ようやく有給休暇は年10日間になりますが、果たしてこのような短時間労働者が有給休暇をキチンと取得できるでしょうか?

アベノミクス・「働き方改革」のもとで非正規・短時間労働者は増えています。今回の有休取得義務5日問題、この増えている短時間労働者(外国人労働者も多く、年次有給の取得が最も認められていないところ)は、蚊帳の外のようです。さすが過労死水準承認の「働き方改革」。と思ってしまいます。

(かわせみ)

2017年6月 2日 (金曜日)

日本は労働者不足。こんな時は、キチンと要求。

4月の有効求人倍数が1.48倍となって、バブル経済時の水準を超えたという。

「4月は完全失業率も2.8%と低く、雇用情勢は「売り手市場」の様相を強めている」と、5月30日の日本経済新聞は書いている。

人手不足(労働者不足)は、実はここ10年ほどの一貫した傾向でもある。そもそも、日本の総人口(労働者人口)が減少に入り、20XX年には1億人を切る」とは、いまや常識になっている。社会的格差の拡大(大多数者層の貧困化)と市場原理主義による福祉・社会保障の切り捨てが、子供を作りたくても作れない、生んでも育てられない、そもそも、結婚する気になれない、という世の中を作り出しているのだから、この人口減少には歯止めが全くかからないのだ。

だからこそ、政府は「高齢者」年齢を、次々と引き上げて、人々がいつまでも働けるような方向性を打ち出している(つまり、社会保障制度は破綻しているし、労働力不足が全く解消しないので、死ぬまで働いてください、ということ)。

安倍政権の「働き方改革」の方向性は、昨年あたりから明らかに、この「死ぬまで国民全員で働く」方向性を強めているのではないか?そして、一方では安倍・麻生のような富裕層は、自らの周りに利権腐敗を産み出しながら、ますます豊かになっていく。これが今の日本の姿であろう。このよな姿を変えよう!と、社会の変革を志して、興奮して少しばかり口滑ったり、やや過激にパロディ的なパフォーマンスを繰り広げようものなら、「体制の変革」を図る「テロ行為」とも言われかねない。「共謀罪」とはそのようなものであると思う。

で、今の日本は人不足、いくら外国籍労働者を急ぎ導入しようとしても、なかなか追いつかないし、研修とか、個人事業とか、ありとあらゆる名目で「労働基準法」などの法の網の目をくぐらせて、日本で外国籍労働者を無権利と不当な労働条件で働かせても、それは明らかに限界がある。

とにかく、職場にいない状態は、その職業が成り立たない状態である。大企業などは盛んに「青田買い」を行い、労働者の確保に躍起だが、中小零細企業は潰れるほかはない、ブラックな企業ならばこの世にはない方が良いが、日本の産業基盤である中堅・中小企業が立ちゆかなければ、日本は確実に終わるのである。いくらオリンピックやら観光産業やら、博打(カジノ)産業に力を入れても、ダメなのである。

だからこそ、私たち労働者や労働組合は、労働者がキチンと働ける職場環境や、生活できる労働条件を強く政府や企業に求めた行くべきだ。これが労働組合の基本であると思う。

なにしろ「原資」はある。

一握りの富裕層の取り過ぎをはき出させても良いし、森友や加計にみられるような金権腐敗、高級官僚の天下りなどが成り立たなくするだけでも、ずっと労働者の労働条件は良くなる。

しかし、こういうことを書くことが、やがて「テロ」的な言質となって、「共謀」として罰せられるようになるかも・・・・。それほど、安倍政権の「改憲」や「共謀罪」への思い込みは強い。彼らは、それなりに問題の本質をつかんでいるからだと思う。

2013年2月27日 (水曜日)

NU東京結成15周年の日に、思いつくまま書きます。

わたしたちNU東京は、1998年2月27日に結成されました(当時の本部所在地は板橋区)。ということで、気がつけば今日は結成15周年の記念日です。

この15年間に私たちが受けた労働相談件数は1万件を超えます。寄せられる相談のテーマは解雇、退職勧奨・退職強要、ハラスメント・嫌がらせ、出向・転籍、降格・減給、賃金(残業代含む)未払い、遅配・欠配、病気・休職そして労働組合作りと、ほぼ変わりませんが、その内容は深刻化しています。

まず、賃金が大幅にダウンしています。IT労働者の時間あたり換算の賃金は、ほぼ半減したといって良いと思います。加えて労働密度が高まり、過重労働となり、これによる病気休職の相談が多くなってきました。

この15年間は、日本における製造業従事者が減少した15年間でもあります。NU東京結成時の1998年は、日本がバブル経済の傷を負いながら製造業主体から非製造業主体の産業構造へと大きく動き出したときでした。1990年代半ばに日本は非製造業社会に舵を大きく切りました。そして「正社員」中心から「非正規労働者」の大量採用へと大きく動きました。このような労働者を取り巻く環境の大変化は労働者を個々バラバラに経営者と向き合わさせ、形だけの「労使間の自由な契約」のもとで、労働者に不利な労働条件を押しつけ、そして労働者の生活は苦しくなる一方なのに、日本は「いざなみ景気」(戦後最長の「いざなぎ景気」並の好景気)を生み出したのでした。いつの間にか大企業の「内部留保金」が数百兆円にもなるという、格差と富の偏在が生じていました。

この富の偏在と社会的不幸へが、誰の目にも明らかになったときに(安倍第一次内閣が残業代は払わなくて良いなどという法律を作ろうとしたことを忘れてはなりません)、自民党政権は崩壊し、民主党中心政権が(短命ですが)生まれました。

15年の間に、さらに二つの大きなことが起きました。

一つは2008年9月の「リーマンショック」であり、これは市場原理主義と「経済学」の破綻を印象づけました。

もう一つは2011年3月11日の東日本大震災と引き続き起きた福島原発の爆発事故です。これは、政府が長年続けてきた原発行政のデタラメさを一気に明らかにしました。

この二つの事態は、私たちに世界のあり方と日本のあり方を根本的に問い直す必要を感じさせました。それはまた、日本の社会のあり方を問うものでした。

しかし、日本の労働組合活動は、このような大事なときに停滞し続けています。

その大きな原因は企業別の(企業と一体になった)労働組合のあり方があります。また、製造業の従事者が1000万人を切るまでになっているのに、労働運動の形は未だに「重厚長大」で、個々人がバラバラになって働いている、日本の現状と乖離してしまっています。日本の労働運動の作り直しも必要だと思います。

長々と書いてしまいました。

とにかくNU東京結成15周年です。

といっても、特に記念イベントはなし。ただ、私たちは日頃の活動を淡々と続け、その活動の中から新しい労働運動の形を模索するのみです。

(かわせみ)

2012年10月 3日 (水曜日)

久々の書き込みです。しかし、この間の労働者切り捨ての動きはあまりに急。

久しく、ブログを更新していませんでした。ということで、メインページのデザインを秋の落ち葉にしてみました。

更新していなかった7か月あまりの間に、労働者を取り巻く環境は、また一段と悪化しました。大企業企業組合の団体である「連合」は、労働者の厳しい状況には全く目を向けずに、ひたすら企業利益にたち続けています。電力会社の組合は、原発事故の責任問題など露ほどにも取り上げず、ただ「(原発事故の)風評被害」を訴えるだけです。原発で、あるいは事故所に現場で働いている多くの非正規労働者の問題には全く取り組もうともしません。

その「連合」が政権支持母体の一つになっている民主党政権は、野田政権になって以降、ますます労働者の生活を無視、一般消費税の大幅増税をはかり、さらに最近では10%では足りないあと5%、あと6%とさらなる増税をはかっています。とんでもないことです。そして、自らの政権基盤が危うくなるや、対韓国、対中国と「領土・領海」を持ち出し、国内矛盾を覆い隠すために対外的緊張を高めるという使い古された、しかしきわめて危険な手段に出ています。この野田政権の「オールジャパン」的対外関係緊張策は、同時に韓国と中国の各々の政権もやはり国内矛盾を対外緊張に転嫁するような手法を用いたために、きわめて危険な状態になり、そのことに各国政府があわててこの緊張関係を緩和するために必死という状況すら生んでいます。

有期契約労働に関する法律、つまり労働契約法での有期労働契約条項の新設については、有期契約労働の低賃金と雇用不安の固定と、有期契約労働者と「正規」労働者の分断の固定化以外の何ものでもなく、それはただただ使用者の利便を図ったものでしかありませんでした。派遣労働を広範に認めた「派遣法改正」につづいての、この労働契約法の「改正」は、労働者をより自由に使い捨てることができるよう法的に保証したようなものです。

さらに・・・さらに、来るべき「労働力不足時代」(社会保障を切り捨て、増税すれば、それはやがて人口減につながります)に備えての外国人労働者対策(今年の入管法改正はその意味でも重要です)や、いま国会に提出されている、過重労働で心身ともに摩滅した労働者を切り捨てるための経営者の道具になると思われる労働安全衛生法の「改正」(「メンタルヘルス対策」という名目での病者の切り捨て)など、労働者の権利と生活はどこまで破壊されてしまうのでしょうか?

労働運動に身を置きながらも、政府、経営側と「連合」によって次々と行われる反労働者策には無力感を感じるほどです。

原発問題、沖縄の米軍基地問題、大増税問題・・・・・、そして労働法の大改悪問題。生活と権利の破壊には、当たり前のことですが、地道に労働運動から反撃するほかありません。

わがカワセミは小さな翼でその一翼を担います。

※今回は大上段に構えたような内容でしたが、次回からはもっと、身近なテーマにします。

(千駄ヶ谷のカワセミ)

2012年2月28日 (火曜日)

3月2日と3日に、労働組合がない人、労働組合があっても春闘がない人のための電話相談ホットラインを開設。

2012年3月2日(金)と3日(土)は 03-3341-0337

「春闘」ができない人、労働組合が無い人・利用できない人のための

労働相談ホットラインへ

 労働組合ネットワークユニオン東京(NU東京)は、きたる3月2日(金)と3月 3日(土)の2日間、労働相談ホットライン「2012春 雇用と労働のホットライン」(電話での労働相談受付)を開設いたします。このホットラインは解雇・退職勧奨、ハラスメントや労働条件の不利益変更、労働環境問題に直面しても、「春闘・労働組合」が無い人、「組合」があっても相談できない人(非正規社員でも管理職でも)が相談を寄せる場として位置づけています。

 私たち労働組合ネットワークユニオン東京は1998年2月の結成以降、労働組合と労働団体のネットワークを活かして、会社・職場で発生する様々な雇用問題に対応するため、時期に労働相談ホットラインを開設してきました。ホットラインに寄せられた相談や質問に対しては、14年間の活動経験を生かし、組合内で相談受付研修を受けた労働組合員が対応し、問題にふさわしい相談先の紹介や緊急避難的なトラブル回避方法などを提示、また社内労働組合や社内の苦情処理・コンプライアンス遵守組織の利用法などをアドバイスします。東京以外の相談も受付け、全国の労働相談受付先の紹介などもいたします。
 
「2012春 雇用と労働のホットライン」次第

     記
1、開設日時
2012年3月2日(金)、3月3日(土)両日の10時から20時
2、ホットライン回線番号
03-3341-0337(ホットライン期間のみ)
3、ホットライン開設場所
 労働組合ネットワークユニオン東京事務所
4、相談受付体制
 相談受付電話の置かれた事務所に、研修を受けた相談員を配置
 相談は全国のどこからでも構いません。
5、問い合わせ先
 03-5363-1091 労働組合ネットワークユニオン東京(ホットライン回線とは別回線)
  東京都渋谷区千駄ヶ谷5-15-13千駄ヶ谷エレガンス202
 ※事務所の電話は平日の12時から19時の時間帯でお受けしています。

2011年2月 8日 (火曜日)

解雇・退職勧奨・労働条件切り下げなどに直面したら・・・。 労働相談ホットラインを2月18日・19日に開設します。

「春闘」が無い人、労働組合が無い人、労働組合があっても使えない人(労働組合が機能していない場合も)が、解雇、退職勧奨、ハラスメント、労働条件の切り下げや労働環境問題などに直面したら・・・。

インターネットを見ると、様々な相談の場所があるけれど、何処がよいかわからない?

そんな人のために、NU東京は春闘の前段として、労働相談ホットラインを開設します。

2月18日と19日の10時から20時、03-3341-0337(終了)

☆ホットライン終了後の電話相談は 03-5363-1091(12~19時)へ

相談はもちろん無料、秘密厳守(所属労働組合にも情報は行きません)。社内組合の利用法や、会社組織の活用法などもアドバイス。

もちろん正社員でなくても、アルバイトでもOK、管理職でもOKです。

詳細は以下のとおりです。

------------------------------- 
2月18日(金)と19日(土)
「春闘」ができない人、労働組合が無い人・利用できない人のための
労働相談ホットライン

 労働組合ネットワークユニオン東京(NU東京)は、きたる2月18日(金)と2月 19日(土)の2日間、労働相談ホットライン「2011春 雇用と労働のホットライン」(電話での労働相談受付)を開設いたします。このホットラインは解雇・退職勧奨、ハラスメントや労働条件の不利益変更、労働環境問題に直面しても、「春闘・労働組合」が無い人、「組合」があっても相談できない人(非正規社員でも管理職でも)が相談を寄せる場として位置づけています。

 私たち労働組合ネットワークユニオン東京は1998年2月の結成以降、労働組合と労働団体のネットワークを活かして、会社・職場で発生する様々な雇用問題に対応するため、時期に労働相談ホットラインを開設してきました。ホットラインに寄せられた相談や質問に対しては、12年間の活動経験を生かし、組合内で相談受付研修を受けた労働組合員が対応し、問題にふさわしい相談先の紹介や緊急避難的なトラブル回避方法などを提示、また社内労働組合や社内の苦情処理・コンプライアンス遵守組織の利用法などをアドバイスします。東京以外の相談も受付け、全国の労働相談受付先の紹介などもいたします。
 
「2011春 雇用と労働のホットライン」次第
1、開設日時
2011年2月18日(金)~2月19日(土)、両日とも10時から20時
2、ホットライン回線番号
 
3、ホットライン開設場所
  労働組合ネットワークユニオン東京事務所
4、相談受付体制
 相談受付電話の置かれた事務所に、研修を受けた相談員を配置
 全国各地の労働組合にも協力していただきます。

2009年4月15日 (水曜日)

IT産業で多発する解雇、未払い、過重労働問題。

情報処理業、いわゆるIT産業からの労働相談が相次いでいます。

人員整理、経営破綻、廃業などなどによる、プログラマ、システムエンジニアの解雇問題、賃金・退職金未払い問題が多発しています。

昨年来の世界的経済破綻が大きく影響して、情報処理業の顧客である、外資、金融などが大規模な人員整理や業務縮小を行っているという背景があるのですが、問題はIT企業そのものにもあります。

IT業といっても、独自製品を持たないその多くは「派遣」「出向」などで収入を上げています。かつて自社開発の製品を持っていて、それで利益を上げていた企業も、いつの間にか派遣で利益を上げるようになり、しかも違法な2次派遣、3次派遣が当たり前のように行われてきました。

派遣を企業活動の中心とするようになると、要するにいかに人員(プログラマやエンジニア)を確保し、いかに多くの仕事を請け負うかが企業活動になってゆきます。都心に小さな事務所持ちながら百人以上の労働者を抱える(それらの労働者は派遣先の大手IT企業、銀行関係などのパソコンの前に張り付いています)IT企業が多く生まれました。

このIT派遣企業の経営は、派遣の労働力市場に大きく左右されます。もともと情報処理企業に働いていた人物が人員確保のため、あるいは特定のソフト開発業として「起業-企業化」したというケースが多いのです。そしてこれらのIT企業には人事も総務もほとんどないような、行き当たりばったりの企業も多くあります(IT業そのものにも、この行き当たりばったりの傾向が強い)。「本社機能」などほとんどなく、仕事があれば技術者を募集するだけです。このため問題が多く指摘され、原則禁止が求められている「派遣労働」よりも、さらに無秩序、劣悪な労働環境が生じ、過重労働問題や鬱の発症などの健康問題も生じています。

数年前からは中国、インド、ロシアなどの国々からもIT労働者も多く迎え入れていましたが、昨年来の世界的経済危機は、これらの企業と労働者も直撃しています。人員整理によっていきなり職を失ない、借り上げ社宅などの住居の問題、日本での在留資格問題を抱える外国籍IT技術者が多数生じています。

雇用契約や就業規則など無視して賃金を一方的に大幅減額する企業、解雇しておきながら退職金を払わない企業(退職金積み立てがない企業もあります)、期間の定めがない自宅待機(無給)を命じて、解雇予告手当をごまかす企業・・・。

いま、IT企業のあり方が問われています。また、このような企業を2次下請け、3次下請けとして利用して、利益を上げてきた大企業の責任も重大です。

(ウグイス)

2007年6月17日 (日曜日)

コムスン、NOVA・・・、札付き企業の当たり前の破綻。

不正が発覚して経営破綻状態になっているコムスンとNOVA。この二つの企業に共通することは労働基準法無視と、幾度となく発生している雇用トラブルです。

コムスンについていえば、六本木の本社にいくつもの労働組合が抗議申し入れに訪れている。また、親会社のグッドウィルも同様である。コムスンは時間外労働(賃金未支給)や社内嫌がらせが常に発生していました。

NOVAは、現在も東京都労働委員会において不当労働行為について争われています。労働組合に対する度はずれた嫌悪感と組合差別を行う企業です。

この二つの企業(企業グループ)に共通することは、遵法精神の欠如です。労基法無視や労働組合法無視を平然と行う企業が他の法律を遵守するなんてことはあり得ません。

この二つの企業は、企業イメージづくりを先行して、しきりにマスコミを利用して急成長を果たしました。コムスンは介護保険料を懐にし、NOVAはハローワークのお墨付きをもらって(じつは、その条件・資格がないのを虚偽報告でごまかしていた)いました。

マスコミで派手に広告を打つことは、あたかも「有名企業」だから大丈夫というイメージを作るとともに、そのマスコミが批判をしにくくなる(スポンサーですから)ということです。これまで「こんなデタラメが許されていたのか」と不正や犯罪発覚後に驚くような企業の多くが、「マスコミ宣伝」を派手に行っている企業という例は沢山あります。

きちんと労基法を守り、労働者に適法な労働条件と賃金を支払い、また労働環境を整えている企業は、そうそう、派手な広告を打つことは出来ないはずです。グッドウィル社長のように自家用ジェット機を所有するなどあり得ません。

1、必要以上に派手な広告や宣伝で、イメージ作りに励む企業

2、繰り返し雇用トラブルが派生している企業

この二つの条件が当てはまる企業は、間違いなく要注意です。

(あじさい)

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