保険外交員搾取(さくしゅ)被害弁護団が、2月14日に相談ホットラインを開設。
保険外交員として働いている人の、権利侵害や不利益取り扱い問題に取り組んでいる「保険外交員搾取(さくしゅ)被害弁護団」が、2月14日(日)の13~16時の時間帯で全国規模の相談ホットライン(無料電話相談)を開設します。
同弁護団は、保険代理店で働いている人達の権利救済・被害回復に積極的に目的として全国各地の弁護士によって結成されています。
くわしくは、以下のホームページまで。
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保険外交員として働いている人の、権利侵害や不利益取り扱い問題に取り組んでいる「保険外交員搾取(さくしゅ)被害弁護団」が、2月14日(日)の13~16時の時間帯で全国規模の相談ホットライン(無料電話相談)を開設します。
同弁護団は、保険代理店で働いている人達の権利救済・被害回復に積極的に目的として全国各地の弁護士によって結成されています。
くわしくは、以下のホームページまで。
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いま、日本は深刻な人材不足、というかそもそも労働力が不足しているので労働者不足です。だから政府は外国人労働者の「受け入れ」を急ぎ、労働力確保に必死になっています(これはこれで、労働条件など大問題があるけど、今回は触れません)。
労働力不足ということは、雇う側の競争が激しいということです。これが、さまざまな職場で発生している「辞めることができない問題」の根本です。この状況は小泉政権後期から第一次安倍政権で生じていた「やめられない問題」と少し違います。小泉政権下で行われていたのは、新自由主義的労働政策によってどんどん人件費が削られて(非正規労働力の導入と人事考課:成果主義の導入などで給与が抑えられて)、長時間労働が生まれて、そして「もうきつくてダメ」という状況に労働者が置かれたとき、使用者が「やめることはできない」「やめたら損害賠償」などと脅かしていたような「辞められない問題」でした。これは労働者の奴隷化問題とも思えたので、一時期「蟹工船」という奴隷労働ものの戦前小説がヒットしたのです。
ところで、いま生じている労働力不足による「辞められない」は、この新自由主義政策による「蟹工船的」労働者搾り取りというレベルから、また一歩進んでいると思います。
現在の「辞められない」問題は、本当に労働力不足によって生じています。背景には、決定的な要因として日本の人口減があり、さらに主にアジア地域での賃金の上昇(メーカーの国内生産への回帰=いずれロボット化が起きるけど当面は多くの労働力を必要とする)があります。これに、東京オリンピックを控えての現場労働者不足やこの先100年以上人材確保に苦しむであろう福島原発事故処理労働力不足が底辺にあり、これらのことに引きづられてサービス業の販売員不足、窓口サービス人材の不足・・・ばどなどが、まさにドミノ倒し的に生じているのです。
つまり、いまは労働者の立場が(賃金額の問題はあるけど)、雇用契約においては強いのです。そして、使用者(会社とか)はこの関係について弱いから、必死に「辞めたい」人を引き止めます。とくに「辞められる」と自分が困る「管理職」の必死さは異様なものがあります。いずれ、「高プロ」によって、過重労働を今以上に強いられるであろう、この「比較的高所得労働者」ですが、彼、彼女たちは、まだ日本の賃金が全体的に下がっている中では「辞められない」場合が多いといえます(でも、ごく最近は「転職業者・エージェント」の動きが活発化しているようで、この層の「上手く辞めたい問題」が生じているようです)。
このような日本の状況で、「退職代行」については、はっきり言って全く必要ありません。そもそも、退職は期間の定めがない雇用契約は原則的には14日前までに通告すれば自由にできます。1ヶ月の期間を定めた契約は1ヶ月前に通知すれば基本はOK。それ以上の有期雇用契約は契約内容によります。
期間に定めのない雇用契約の労働者が辞める場合は、諸々の仕事の引き継ぎなどを考え合わせ(年次有給の消化とか、退職金の計算とかもあります)、多少時期を調整できる場合は、数ヶ月前の退職意思の表明(労働者側からの雇用契約の解約通知ができれば更に問題なく、「円満」に退職できるわけです。
ポイントは、少し余裕を持って、雇用契約内容をよく確かめて(社長や上司が認めなければ辞められないとかいう規則があっても、それは法律に違反するので無効ですが、一応確認しておきます)、キチンと「退職届」を文書で提出することです。
この場合くれぐれも「退職願い」にしてはならないということを押さえたく思います(「退職願い」は「願い」なので、会社の判断を待つという意味合いが出てしまいます)。そして、この「退職届」を会社側が受け取らなかったら、配達証明郵便とか内容証明郵便とか記録の残る形式で代表取締役宛に送付します(これも、上司ではなく代表取締役宛がよいです。ただし、就業規則などに「上司」でもOKとあれば担当する上司でもかまいません)。ネット上では「メールでの届け出で良い」という情報もありますが、メールは雇用契約に関わるような重大な情報に関する管理がどうなっているかわかりにくく、避けた方が良いです(ただし、メールでしか情報の伝達ができないような外資系の企業などはメールで伝えます)。
あとは、働きながらゆっくり私物を片付けて(辞める前に会社からの支給物と私物との区分けははっきりしておきましょう)、届け出通知した日以降は出社しないこと。この最後の日々は有給休暇の消化が可能ならば、有給休暇を消化します(有給休暇は「辞めた後」では使えません)。
こう見てくると「退職代行」はいったい、どうして必要なのかわかりません。「代行」には5万円ほどの「料金」がかかるとの情報もありますが(すべての業者が同じではない)、そもそも、「退職」は労働者と使用者の間の雇用契約の解約に関する話です。本来ならば、正式な代理人になれる弁護士の仕事です(労災ではない病気や事故問題を抱えている場合は労働者の立場に立つ弁護士を代理人とするのは有力な選択肢の一つです)。そうでなければ、単なるアドバイス・仲介ですが、これは法的にはどうか? また司法書士などが関係して文書作成料としての代金が生じるのか?このばあいは、会社が「認めない」と言ったときに、どこまでフォローがなされるのか?
労働組合は、このような退職トラブルは個人加盟方式の合同労組(ユニオン)が扱うことが多くあります。ユニオンの場合は「退職問題」は経営者との交渉なります。その場合はユニオンへの加盟が条件になるのですが(ユニオンの組合員としての退職条件交渉は、未払いになっている時間外労働賃金や諸手当についての支給を使用者=会社求めることがあります)、ユニオンによっては相談のみを受けてくれるところもあります。この場合は基本的相談料は無料です。
ユニオンが、その相談に来た労働者が加入することを視野に入れて相談を受けていると、この相談の結果(会社とのやりとりによって)、使用者=会社が労働者に不利益を与えることは違法(不当労働行為)になります。これは労働組合(その組合員)にのみ与えられている強い権利です。さらに、この労働組合員としての権利は、その労働者が次の会社に入るに当たって、ユニオンで交渉した事実や経過は伝えなくてもよい(逆に使用者は労働者にそのことを聞いてはならない)という法的な保護ともなります。
「退職代行業」って、なに?
法のもとで労働者は自由に会社を辞めることができます。それなのに、労働者は簡単には会社を「辞められない」という俗説をもとにして、労働者の危機感を煽って仕事にしている? のでなければ良いと思います。
とにかく、退職問題は近くのユニオンに相談を。そこで、相談にもお金がかかるようなことを言われたら、それ、名ばかりユニオン(そういう仕事)なので、次を当たりましょう。
最近、ユニオンの相談で目立つ内容に、「突然の配転」があります。
相談を寄せてくる労働者にとっては、思いもよらぬ部署や、縁が無かった営業所や支店への配転ということで、話を聞いていると、どうも退職勧奨含みの嫌がらせや、人件費削減のための不利益変更でも無いようです。
では、なぜ「突然の配転」?
いくつかの相談に共通項がありました。つまり、「人がいなくなった」ということ。
それまで、各職場で中心となっているような労働者、あるいは勤続が長くて、仕事を熟知していた労働者が「急にいなくなって」その職場がまわらなくなってしまうケース。だから他の営業所や遠隔地の職場かから急遽の人員補充をしなくてはならず、それが、その対象となった労働者にとっては「ありえない」ような、急な配転・業務命令となっているようです。
なぜ、人がいなくなるのか?
それも話を聞けば分かります。つまるところ、労働条件や労働環境が悪くて、転職動機が強く働くような職場、そういうところから人が逃げはじめているのです。
会社側がいつまでも労働力は買い手市場だなんて思っているから、こういうことになるわけです。実は労働力不足は2010年くらいから始まっているのですが、それが企業にはなかなか認識されていなかったのです。2,011年3月の東日本大地震とその後の「ガンバロウ日本」的な風潮は、実は労働力不足になって、現場では過重労働が発生している状況を、正しく認識できなくしていたようです。
しかし、昨年春あたりからの「求人難」「新卒者の内定辞退続出」さらには、今後1年間に50万人ずつ減り続ける日本の将来の姿、ということが誰の目にも明らかになり、そして、急激な「人手不足感」が雇う方にも雇われる方にも拡がりました。
とくに、労働者には同様の仕事内容の会社との賃金その他の格差が目につくようになり、また「人手不足」で転職の可能性も出てきたために、転職動機が高まりました。
そして、いま「突然の配転」問題が、労働現場で発生しはじめているのです。
この問題はとくに不当に低い賃金、ただ働き的時間外労働で過重労働が発生している会社によく見られるようです。低い労働条件でも、しかたなく働いていた労働者(生活があるから簡単には転職できません)の弱みにつけ込むように、酷使していた会社には、罰が当たったともいえるのですが、それでも、やはり突然の配転」でまず苦しむのは、労働者です。そして、低い労働条件を強いてきた会社は、なかなかこの問題を認識できずに、結果、人が集まらず、経営危機を迎えるのかもしれません。
先日、とある会社での団交のこと。この会社は低い労働条件を強いています。そして、まだそれを改めようとしないので人が集まらないのですが、取締役曰く「そんなのは根性が無いからだ」だそうです。
「この会社、まもなく経営危機になるな」と、思いました。
定年後の極端な労働条件低下(賃金75%カット)は高年齢労働者雇用安定法(高年法)の趣旨に反するとして争われた裁判(福岡地裁、福岡高裁)の上告がなされたことについて、最高裁判所は会社が労働条件面で雇用継続できなかった労働者に100万円の慰謝料支給を認めた福岡高裁判決に対する上告を退け、高裁判決が4月1日付で確定しました。
つまり、60歳再雇用以降の労働条件の著しい切り下げは、高年法の趣旨からいって認められないという最高裁が判断したわけです。
この裁判の場合、会社が労働者に提示した60歳以降の賃金が75%カットという、異常な減給(フルタイムが認められずにパート勤務を求められた)、ということもありますが、これまで、高年法で一応65歳までの継続勤務が認められたものの、その賃金が異常に低額で、働こうにも働けないような条件なので継続雇用をあきらめたという問題は多く存在しています。少し前にこのブログでも取り上げた東京のH社の不当労働行為問題にもそれがありました(雇用継続条件が半額程度でした=この問題についてのブログ記事は、裁判で和解が成立したために削除しました)。
今回の最高裁の判断は、このように働きたくても働けないような、継続雇用に関する劣悪な労働上条件が提示され、労働者が継続雇用を断念したとき、労働者に慰謝料を会社が払わなくてはならないというもので、ある面画期的です。
しかし、問題の本質はそこにはありません。そもそも、高年法は政府が年金制度破綻を取り繕うために導入した制度ともいえ、基本は年金支給年齢を遅らせて、それまでなんとか、労働者には働いて貰って年金支給がなくても良いようにする、という発想から成立したといえます。また「働き方改革=働かせ方改革」でも「多様な働き方」などといって、結局低賃金労働、働く側の自己責任を打ち出そうとしています。その基本には労働者の生活と権利を守るという発想はありません。だから60歳以降の継続雇用に関しての労働条件については曖昧です。そして少しでも安く労働者を使いたい企業は、この雇用継続にあたって驚くべき低賃金の提案や、働いて欲しいときだけ働いてもらうパートでの雇用とかを平然と行っているわけです。
60歳までの労働者と60歳以降のしばらくの間、労働者の労働の質が大きく変わるはずはありません。しかし、企業はここで人件費を大いに浮かそうとする。単純に考えても、基本的な労働の部分(役職手当とかは別として)大きく変わらないはずです。役職手当などを引いた分の賃金が保障されるのは当然のことで、企業側の継続雇用条件の提示にあたっては、合理的な条件を示すべきであり、また、人材不足が急速に進行している今の日本では、合理的な雇用継続条件を示せる企業だけが人材を確保できるのではないかと思います。
政府はいま、70歳以降の定年を視野に入れ始めています(つまり年金の70歳以降支給です)。
このため「高年法」の「高年齢」という言い方も変わるかもしれません。日本の労働力不足と、年間50万人以上の人口減少が続く状況になったことを考え合わせると、60歳以降の労働条件が著しく劣化しない法整備が必要であり、また、一方では、60歳以上働かざるを得ないようにした政府の年金政策に対する責任追求と、国民の半数以上の貧困層と比較的低所得層を死ぬまで働かせる「改革」となりかねない「働き方改革」(安倍政権は「多様な働き方」は「死ぬまで働く」とも取れます)の根本的批判、社会格差の解消が必要です。
4月の有効求人倍数が1.48倍となって、バブル経済時の水準を超えたという。
「4月は完全失業率も2.8%と低く、雇用情勢は「売り手市場」の様相を強めている」と、5月30日の日本経済新聞は書いている。
人手不足(労働者不足)は、実はここ10年ほどの一貫した傾向でもある。そもそも、日本の総人口(労働者人口)が減少に入り、20XX年には1億人を切る」とは、いまや常識になっている。社会的格差の拡大(大多数者層の貧困化)と市場原理主義による福祉・社会保障の切り捨てが、子供を作りたくても作れない、生んでも育てられない、そもそも、結婚する気になれない、という世の中を作り出しているのだから、この人口減少には歯止めが全くかからないのだ。
だからこそ、政府は「高齢者」年齢を、次々と引き上げて、人々がいつまでも働けるような方向性を打ち出している(つまり、社会保障制度は破綻しているし、労働力不足が全く解消しないので、死ぬまで働いてください、ということ)。
安倍政権の「働き方改革」の方向性は、昨年あたりから明らかに、この「死ぬまで国民全員で働く」方向性を強めているのではないか?そして、一方では安倍・麻生のような富裕層は、自らの周りに利権腐敗を産み出しながら、ますます豊かになっていく。これが今の日本の姿であろう。このよな姿を変えよう!と、社会の変革を志して、興奮して少しばかり口滑ったり、やや過激にパロディ的なパフォーマンスを繰り広げようものなら、「体制の変革」を図る「テロ行為」とも言われかねない。「共謀罪」とはそのようなものであると思う。
で、今の日本は人不足、いくら外国籍労働者を急ぎ導入しようとしても、なかなか追いつかないし、研修とか、個人事業とか、ありとあらゆる名目で「労働基準法」などの法の網の目をくぐらせて、日本で外国籍労働者を無権利と不当な労働条件で働かせても、それは明らかに限界がある。
とにかく、職場にいない状態は、その職業が成り立たない状態である。大企業などは盛んに「青田買い」を行い、労働者の確保に躍起だが、中小零細企業は潰れるほかはない、ブラックな企業ならばこの世にはない方が良いが、日本の産業基盤である中堅・中小企業が立ちゆかなければ、日本は確実に終わるのである。いくらオリンピックやら観光産業やら、博打(カジノ)産業に力を入れても、ダメなのである。
だからこそ、私たち労働者や労働組合は、労働者がキチンと働ける職場環境や、生活できる労働条件を強く政府や企業に求めた行くべきだ。これが労働組合の基本であると思う。
なにしろ「原資」はある。
一握りの富裕層の取り過ぎをはき出させても良いし、森友や加計にみられるような金権腐敗、高級官僚の天下りなどが成り立たなくするだけでも、ずっと労働者の労働条件は良くなる。
しかし、こういうことを書くことが、やがて「テロ」的な言質となって、「共謀」として罰せられるようになるかも・・・・。それほど、安倍政権の「改憲」や「共謀罪」への思い込みは強い。彼らは、それなりに問題の本質をつかんでいるからだと思う。
安倍政権のもとで進められている「働き方改革」。賃上げ、同一労働同一賃金などの人気取り的なアドバルーンはいずれかけ声だけで消えていき、いまは、時間外労働問題が焦点化しています。
時間外労働問題は、過酷な長時間労働によって、労働者の健康と命が奪われている現在の状況を変えるためのように見えました。少なくとも当初は「過労死をなくす」「ゆとりある生活を実現する」などとの名目がありました。
しかし、これもアベノミクスの特徴であるかけ声倒れ。
いまは、「働き方改革」の焦点は、月100時間の時間外労働を法的に認めるかどうかという問題になっています。
この月100時間(あるいは労働者代表?とされる連合のいう80時間)の時間外労働という問題は、「残業をしないと生活できる賃金にならない」という現実も反映しています。長時間外労働がまん延している実態を前提とした論議は根本的に間違いではないと思います。
世襲的富裕層で特権的社会階層に属している安倍氏や麻生氏には、月80-100時間も低賃金で働く労働現場の現実感などありません。アベノミクスの、どの「矢」かは知りませんが、多少の「賃上げ」が実現しても、残業しなければ生活できない賃金水準での労働者がいかに多くいるかはわからないでしょう。一方、数字だけ見ると日本の労働者は残業をいとわず一生懸命働いているかのように見えます。安倍氏や麻生氏には「日本を支えている勤勉な労働者」に見えるのかもしれません。ほんとうは残業などしたくないのに・・・・。
企業、いや、今や多くの企業の形態となっている、ホールディングカンパニーという名の資本は、常に利益追求なので、長時間労働でも、効率的で、好きなように労働者を使える(好きなだけの時間を働かさせることができる)システムが良いに決まっています。だから時間外労働の基準は、企業の必要性があればいくらでも緩くしたいと思うのも当然です。
そして、連合に代表される「労働側代表」は、基本的に大企業(か公務員の労働組合)で、そこに働いている労働者の雇用条件は恵まれています。単に賃金水準だけでなく、福利厚生から、年次有給休暇その他の休暇の制度と、その取得状況からも、恵まれた状態にあります。さらに、この恵まれた状況の労働者は、より労働条件の悪い子会社、その下請け、孫請け、関連企業によって支えられています。だいたい、子会社辺りから労働組合がなく、下請けになるに従って労働条件は劣化して、最底辺は最低賃金が保証されているかどうか? 労基法が守られているか?という状態に至ります。そして、この「下流」労働者が実は日本の労働者の多数を占めています。それは、低賃金・長時間労働をしなければ生活できない状態にある労働者層でもあります。
いま、政府・資本・連合によって、あれこれと残業時間の上限が語られていると、実際に長時間労働の現場にいるこれら「下流」労働者の問題は出てきません。
長時間労働問題を考えるとき、「上流」の労働者のことばかり見ているととんでもないことになるのです。「下流」では、親会社や元請け企業から降りてくる仕事は常に「緊急な仕事」であり「やむを得ない時間外労働の状況」です。だから、これらの労働者の時間外労働の限度は、限度ぎりぎりになっていきます。そして、いったん、長時間労働が常態化すると、今度はその時間外労働分の賃金を含んだ賃金が、生活の基礎になっていきます。時間外労働のない生活ができなくて、「時間外労働がなくなると困る」労働者達はこうして生まれていきます。
労働者の要求は、すべての労働者が1日8時間、週40時間の労働で生活できる賃金、健康で文化的な生活ができる社会の実現です。
月80~100時間の過労死レベル労働を合法化する動きには断固反対したく思います。
森友学園問題に加計学園問題、これほどの利益誘導・政権腐問題が生じても、開き直り続けている政権は.戦後初めてではないでしょうか?
国家主義、偏狭な民族主義を全面に押し出して、憲法改正を宣言する安倍政権。一方では、不平等社会・格差社会の改革なしには実現できようもない、同一労働同一賃金を掲げたり、破綻して久しいアベノミクス(最近は、さすがにこの言葉を、あまり語らなくなっている?)を成功したと言い切り、「ナチスの手法」で世論を操作しています。このような政権の姿を見るにつけ、既に日本は怪しい国家になっているのだと思うのです。ただ、海の向こうのトランプ政権や中国、韓国、北朝鮮そしてフィリッピンなどの国々も、同じように「怪しい政権があり、それぞれが社会矛盾を強権や対外的対立政策でごまかす道を歩んでいるので、相対的に見て、日本の怪しさがわかりにくいのかもしれません。
後の時代になって、「安倍政権」の異常さは実感されると思いますが、それは戦前の国家神道・軍国主義日本の姿を、当時の人々の多くが俯瞰できなかったことと同じ。後の祭りにならないように、いまの日本を見ておく必要があると、強く思います。
ところで、いまの日本について、私たちは労働組合は、当然、労働問題を考える中で見ます。「労働」を基本に世界を見ること。これが労働運動の視点です。そうすると・・・・。
アベノミクスの元で、賃金は上がりません。政権が肩入れする企業の利益は、内部留保と株主配当で、消えてしまいます。そして日本においては富裕層が日に日に肥え太っていきます。一握りの富裕層が社会の富を独占する状況が生まれています(麻生一族や安倍・岸一族は典型的な富裕層です。富裕層の中から国会議員達が生まれ、富裕層が有名大学の学生となっていきます)。
労働者はの生活は苦しいまま。年金システムの破綻で65歳まで働かざるを得ず、65以降も安心した生活は全くありません。それなのに、政府はそんな労働者に「労働者でない」労働をしたらどうかと、ささやいています。「一人ひとりが輝く」働き方。それは労働者の個人事業主化でもあります。要は「労働者」が居なくなって「個人事業主」になれば、日本の労働者の問題は解決すると? そして「一億総活躍」云々。
現実は、「プレミアムフライデー」が名ばかりなように、いっこうに労働環境・労働条件は改善しません。時間外労働問題にしても、油断していると、過労死水準を遙かに超えた月に100時間の残業が合法化される恐れすらあります。(深刻な過重労働・時間外労働をいかになくすか、ということからはじまった時間外労働規制の動きが、このような形で集約されるとは・・・)。
この数年の動きをしっかりと見るならば(政権の美辞麗句に惑わされないで)安倍政権のもとで、日本の経済政策と労働政策は完全に破綻しているといえます。東芝の破綻だって、安倍政権が無理矢理原発を国家事業の中心に据えた結果です(これについては民主党と連合の責任も大きいですが、3.11を経過して政権について、原発を産業の中心に据え続けた安倍政権の責任も大)。
あとは、軍事産業の育成? と戦争への参加?
しかし、労働者の生活はどうする?労働力不足は?福祉は?そして福祉労働者の生活は?
安倍政権は一面、神がかりでもあります。非理性的で前近代的な国家主義イデオロギーで自らもマインドコントロールしている。しかし、それは幻想に過ぎないから(かなり危険な幻想です)決して現実の問題を解決できない。
労働者条件、労働環境問題がなにひとつ解決していない安部政権下で労働運動に携わっていると、今の日本の状況は、本当に恐ろしく見えます。
安倍政権、早く終わらせないと、労働者の生活。そして、日本は大変なことになってしまいます。
千駄ヶ谷のカワセミです。
2017年 謹賀新年。
あれやこれやと忙しさやらを理由に、このブログを書かないことが多い昨年でしたが、今年は週に1回の目標を立ててアップしていきたく思います。
以下は、毎日新聞の記事です。
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うつ病休暇>半数が再取得「企業は配慮を」 厚労省研究班
うつ病になって病気休暇を取った大企業の社員の約半数が、復帰後に再発し、病気休暇を再取得していたとする調査結果を、厚生労働省の研究班(代表者、横山和仁・順天堂大教授)がまとめた。特に復帰後2年間は、再取得する人が多かった。仕事の負担が大きな職場ほど再取得のリスクが高いことも裏付けられた。専門家は社員の職場復帰について、企業が慎重に取り組むよう訴えている。
(中略)
その結果、うつ病を再発して病気休暇を再取得した人の割合は、復帰から1年で全体の28.3%、2年で37.7%と高く、5年以内で47.1%に達していた。職場環境について、仕事への心理的な負担を調べる検査「ストレスチェック」を職場メンバーに実施した結果、負担が大きいと感じる人の多い職場ではそうでない職場に比べ、病気休暇の再取得のリスクが約1.5倍高かった。
休暇期間では、1回目の平均107日に対し、2回目は同157日と1.47倍に長くなっていた。1回目の休暇期間が長い場合や、入社年齢が高くなるほど、2回目の休暇が長くなる傾向もみられた。
調査した東京女子医大の遠藤源樹助教(公衆衛生学)は「うつ病は元々再発しやすい。企業は、病気休暇の再取得が多い復帰後2年間は、特に注意を払い、時短勤務などを取り入れながら、再発防止に努めてほしい」と指摘している。
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調査は1000人以上規模の大企業を対象にしています。だから日本の多くの勤労者が働く中小・零細企業や、外国企業の数十人~数百人の日本法人は対象ではありません。労働組合の組織比率が比較的高く、病休制度や年次有休休暇制度などの休暇取得制度が比較的整った企業を対象とした調査です(もちろん、大企業の中にも電通などのような、労働組合があっても、実際はブラックな企業もあります)。
この調査と同じような傾向は、労働相談受付の現場である、わたしたち労組(NU東京)に寄せられる相談でも現れています。違うところは、わたしたちの場合、零細企業から大企業までの幅広い会社から相談がよせられるので、中には「有休休暇(制度)が我が社にはないといわれた」とか「休むのだったら、そのぶんの損失をどうするんだ」などという、とんでもない経営者や管理職が中小零細には時として現れるということです。
一つの傾向として、一回目の休職期間が短くて、二回目が長くなるのは、一回目の休職期間が十分でなかった、ということがあります。
労働者は生活のために働いていて、そして、時には働き過ぎが原因で「うつ病」になります。これには上司のパワハラや経営不振・リストラ圧力によるストレスが加わることがあり、その場合、「会社に行こうとしたら体が動かない」「通勤しようとすると頭痛がひどくてとても会社に行けない」「体が震えてしまう」などの症状があって、診断書には「うつ」のほかに「抑うつ状態」「適応障害」と書かれることもあります。専門的なことは医師の判断によります。
このような状態になっても(動けなくなってしまった人は、医師にかかり、薬の処方などを受けて少し動けるようになってから)、労働者はどうしても「自分はまだ働ける」「少し休めば大丈夫だ」「休んではいられない」と思ってしまいます。生活を支えるため働かなければならないからです。そして、会社には「大丈夫、働きます」「もう治っています」などと伝えがちです。そして、会社も(中小・零細企業で人手不足の場合や、大企業でもその人が業務遂行に重要な位置にいる場合)、「うつ」に罹病した人を、早めに復帰させる傾向があります。ときには無理矢理働かさせるようなことすらあります。
そして、十分治っていないために、働き始めて半年、1年と経った頃に、より重いうつ症状を起こして、二回目の休職にはいってしまう・・・・。
問題は一度目の休職時への対応です。
まず、ゆっくり休みましょう。会社の休職制度を最大限利用しましょう。
病気になったという意識を持って「ちゃんとした病人」になりましょう。「うつ」の場合、心の(脳の機能に関わる)病であるため、ここがなかなか難しいのですが、心療内科や精神科の医師には、ありのままの症状を伝えましょう。そして処方された薬は処方通りに服用し、副作用(必ずあると思ってください)については、それを医師にきちんと伝えましょう(処方をされた薬を飲まないと、副作用はわからないから薬は飲みましょう、そして副作用のひどい薬は変えてもらいましょう)。
「うつ」がひどい場合は、医師の診断を受けるだけでも一苦労です。もし家族と同居しているときは、一緒に医師の診断について行ってもらいましょう。「家族とともに治す」という発想も必要です。
「うつ」の状態では、ネガティブな考えをもちがちです。会社との関係においては「このままでは不利になる」とかの不安や、「いっそ会社を辞めた方が良い」という考えが生じがちですが、そういうことは「うつ状態」で解決しません。治ってから考えれば良いので、治療中は、なにはともあれ治療と休養に努めましょう。
そして、うつ治療を始めて、薬を服用し、さらに体と症状に合った薬が定まると、ときおり症状が改善したような、あるいは「もう治った」と思える状態が訪れますが(本人にとっては休み初めて3ヶ月とか半年とか、かなり「休んだ」と思えるときでも、病気はなおっていないことが多いのです)、このとき医師から離れないでください。治っているかのような状態があっても、それは薬が効いている状態かもしれません。必ず医師の診断を受け続けてください。十分に治療しないで、ここで、会社に復帰するとしばらくして再発するといえます。
ながくなってたので、終わりにしますが、以下のことは頭に入れておいてください。
「うつ」はゆっくり治しましょう。 医師の元できちんと治しましょう。会社の都合は気にかけないようにしましょう。あくまでも自分を治すために休みましょう。
会社の病休制度があれば十分利用しましょう。多少の収入減はやむを得ないと割り切りましょう。
長時間労働や過重労働、職場でのハラスメントが伴ってうつになった場合、労災を申請しましょう(労災と認定されれば、状況はかなり良くなります)。労災申請をする場合は、慌てないで、数ヶ月(あるいは半年程度)経って、ある程度回復してからで良いです。うつの重い状態での労災申請はストレスになりますから控えましょう。体を治しながら、ゆっくり、発病に至る経過についての資料作成などを行ってから申請しましょう
無理に「働ける」と判断し、治っていないのに会社に復帰しないようにしましょう。また、会社(上司や同僚を含む)から「早く出てきてくれ」などと言われても、治るまでは会社に行かないようにしましょう。
そして、休職しはじめの数ヶ月間は、とにかく会社のことを忘れましょう。
※うつ病の場合、都道府県の「自立支援」制度を受けると、医療費が軽減されます。抗うつ薬は高い薬なので、この制度を利用しましょう(詳しくは、行政の福祉担当窓口に連絡を!(家族や知人に手続きを手伝ってもらいましょう。この制度は申請したときから適用されるので、うつの症状で動きがとれないとき、そしてもっとも薬代がかかっている初期の医療費に対応しない、という欠点があります。医師が定まったら家族、知人から福祉担当窓口に、まず電話だけでもしてもらいましょう)。
東海地方に事務所を構えるK社労士が、自身のブログで「社員をうつ病に罹患させる方法」というとんでもないタイトルを掲げて、権利主張を行う社員(K社労士はこれを「モンスター社員」などとの蔑称を用いている)は嫌がらせを行い、うつ病にして会社から追い出せば良い旨の「経営指南」をおこなっていました。日本労働弁護団や過労死問題に取り組む団体、POSSEなどの労働組織が、厚労省にこの社労士の懲戒処分を求めましたが(12月18日)、このニュースは、改めてブラック士業の問題を社会に問うものとなりました。
多くのマスメディアやブログ、SNS上で取り上げられているので改めて、問題を要約することを避けますが(この問題については、NPO法人POSSEの今野晴貴代表の見解と分析がわかりやすいので、ググってみてください)、わが「かわせみ通信」では、私たちが最近遭遇したブラック社労士まがいの社労士の行為についていくつか例を挙げます。
1、解雇問題について、会社(海外で事業展開する設計事務所)と労働組合で交渉している状況で、組合が会社に対して解雇理由を求めたところ(会社の経営悪化が理由と考えられるケース)、出された離職票に「重責解雇」(懲戒解雇に相当)するとしたケース。
この離職票は会社社労士が作成したとされるが、重責(懲戒)解雇にもかかわらず労基署の承認もなく、かつ「懲戒理由」も本人も組合もはじめて聞くものでした。曰く「仕事が出来なかったから」と・・・・。百歩譲って仕事能力がないとしても「懲戒」はあり得ません。ましてや解雇された本人は、2級建築士であり、外国語も堪能です。この解雇理由はあり得ないのですが、社労士はその離職票をいきなり作成したのでした。
この問題のバックにはブラックならぬ労働事件について知識のない弁護士がついていました。この弁護士たちは、自分たちのデタラメを覆い隠すために、社労士会に抗議し、弁護士会に懲戒請求を起こした私たちに(事実無根の)「損害請求訴訟」まで起こしました。まさに嫌がらせ訴訟です。そしてこの段階で、彼らは完全にブラックになりました。
訴訟では私たち労組側が勝利し、そして離職票問題も解決しましたが(ハローワークがそのような離職票を受け取ったこと自体を間違いと認めた)、その結末は・・・。会社は一連の裁判や争議に耐えきれずに倒産してしまったのです。
無知な社労士や弁護士が、自ら事件を引き起こして、そして結局は会社が全面的に敗北しさらには経営の破綻まで起こしたケースです。
2、特定社労士でもない社労士が労使交渉に介入して、問題を複雑化させたケース。
神奈川の学習塾(ブラック業界と言われていますが)で、ハラスメントと過重労働で就労困難になった労働者の問題について、会社側と組合が交渉をしている状況で、会社側社労士(特定社労士ではない)が、一方的に当該労働者を解雇しながらも離職票を送らず、また解雇予告手当も支給しないという手段を取りました(傷病手当についての知識も極めて怪しいものでした)。
加えて、この社労士は特定社労士でないにもかかわらず団体交渉に登場し、会社側の発言について「法的に問題がない」(不当労働行為発言など言い放題の会社ですが)「法律でそうなっている」などと発言しつづけました。さらに、団体交渉に必要な労働条件に関する資料の提示を「必要ない」などと、何の権限も責任もなく発言し、交渉の成立を困難にしました。
このケースの場合、組合は社労士の所属する社労士会に業務監査を求めました。またこの問題については労働審判で(時間外賃金未払い問題含め)組合側が勝利的に解決しました。このような社労士は、会社の違法を追認するためだけの役割を果たした、消極的なブラック社労士といえます。
3、労使交渉のさなかに、雇い止め通知を「書かされた」社労士。
東京の半導体関連製造業で高年法による雇用延長をめぐって、労使交渉で再雇用後の労働条件を労使間で交渉してるときに、会社側は一方的に組合との交渉で合意がなかったので再雇用をしないとし、「自己都合による退職」との離職票を当該労働者に渡したケース。
解雇は不当としても明らかに会社都合であるのに「自己都合」したのは、会社の社労士であると判明。社労士には強く抗議したところ、社労士はそもそも本件問題に関しての知識がほとんどなく、会社側弁護士(経営法曹会議所属の比較的若い弁護士)の指示によるものとしました。
会社は、このほかにも時間外賃金を一切払わず。会社側弁護士労使交渉において、労基署への相談を組合が語ると「そのようなことをすると、今後交渉は持てない」「(組合の役員について)もう辞めたらどうか」など違法発言(労基法違反や労働組合法違反)を行う始末です。
現在、再雇用については争議状態になっていますが、労基署の指導の下で未払い時間外賃金の一部が支給されました。
以上、3つのケースは、私たちがこの数年間に経験したケースです。個々に登場する社労士たちは基本的には「無知」であり「違法企業の言いなり」に動いています。このような社労士は「消極的なブラック」といえます。
(カワセミ)
日本における合同労組の結成は、戦前は左翼的イデオロギーのもとで、そして戦後はGHQの戦後民主化政策と総評の「中小対策オルグ」配置によって進められてきました。
ここでいう合同労組は、職場組織を作ること、あるいは職場組織単位の活動を前提としての合同労組です。この合同労組の形成と運営には、その地域や産業(産別)に対応して配置されたオルグ(オルガナイザー:労働組合の組織者)が当たりました。
戦後(とくに1950年代から70年代)は、大企業労組ではカバーできない中小企業の労働者の組織化のために、オルグが地域に張り付いて、文字通り労働者を一人ひとり合同労組にオルグして、そしてその企業で一定の影響力を行使できる段階になると職場組織を「公然化」(組合作りが経営側に知られると、その切り崩しが行われるために、職場組織の結成通告までは、経営側に知られないように組合を準備する)しました。公然化後は同じ地域や同じ業種の労働組合の力を借りて、労働者の要求実現のために活動する形になります。
この、戦前・戦後タイプの合同労組(以後、「合同労組オリジナル」とします)とはあくまでも職場組織を前提とした合同労組なのです。この場合の「個人加盟」とは、労働組合を準備するための地域合同労組などへの個人加盟であり、その職場組合組織が結成された以降は、その職場組織の上部団体への個人加盟ということになることが多かったのです(組合結成後に、その合同労組が「企業内組合」化して、合同労組から離れてしまう場合は、その企業内労組への個人加盟となります)。
ところで、昨今の個人加盟労働組合(地域ユニオンや課題別ユニオン=これを仮に「ユニオンタイプ」とします)の場合、「個人加盟」の意味合いが「合同労組オリジナル」とはかなり性格が違います。
「ユニオンタイプ」では、「合同労組オリジナル」のように、オルガナイザーが地域でビラを配ったり、職場近くの労働者のたまり場(職場近くの居酒屋とか、地域の文化・スポーツサークルとか)で顔見知りになったりした労働者をオルグ(組合へ勧誘して)して加入させる、という経過をとらないことが多いのです。どのような形をとるかと言えば、ホームページやブログあるいはSNSなどのWEB情報、マスメディアの報道などによって、個別労働問題(解雇や退職勧奨やハラスメント、病気休職問題など)の相談や解決を求めて、個人労働者の方から労働組合に接触をしてくるのです。そして、ユニオンはこの相談に対応する中で、その相談に来た個人の問題の解決について、雇用主に対して団体交渉を申し入れます。「合同労組オリジナル」タイプでの公然化は、ユニオンタイプではいわば「ひとり公然化」として行われることが多いのです(ただし、オリジナルタイプの伝統を持つ「合同労組」は現在でも、一定の組合員が揃うまでは公然化しないことがあります)。
労働相談から、短期間のうちに労働組合に加入して、個人組合員の労働条件や労働環境について団結権と団交権を行使する。これがユニオンタイプの活動の特徴で、だから、ユニオンタイプは完全個人型合同労組ともいえます。
このオリジナルタイプからユニオンタイプへの「個人加盟」の変化にはそれなりの背景があると考えられます。詳しくは次回以降に考えたく思いますが、変化の背景として次のようなことが挙げられます。
1、労働組合の企業内化:企業別組合が企業内の労働管理部門的な役割になってしまい、地域の労働者の生活や権利について関心がなくなったこと(とくに、産業別大企業労組は無関心)
2、産業構造の変化:戦前・戦後の労働集約型で工業中心の「職場」から商業、金融、サービス業中心となり(1980年代が変わり目)、労働形態、就業状況が大きく変化したこと
3、一つの職場に働く労働者の居住地が多様化し、かつ遠隔地化したこと、あるいは個々人の思考の多様化によって、同じ職場に働く人が集まる場が少なくなった(社員旅行の中止などは象徴的)こと
4、情報処理手段の変化(IT革命以降)によって、一つの職場に働く人たちの情報交換の形態が大きく変わったこと
5、労働者一人一人の保有する情報量が桁違いに大きくなった(PCのHDD、あるいはデータ記憶媒体の中には、一人の人間が一生かけても読み切れないほどのデータが有り、また、個人が利用できるWEB上のデータは(労働分野に限っても)無限と思われるほどである、ということ
6、情報の横溢に反して、個人情報の保護や企業情報の秘密管理については厳格化されていて、特定の「他者」(隣で働いている人とか)の情報が得られにくい社会になっていること
以上の他にもまだあると思いますが、仕事と個人のあり方が数十年間の間に大きく変化した日本において、合同労組の活動スタイルや、個人加盟労組における「個人」の位置づけも大きく変化してきたのです。
(つづく)
カワセミ
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