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2018年7月30日 (月曜日)

そんなことまで商売に?「退職代行業」に思う。

いま、日本は深刻な人材不足、というかそもそも労働力が不足しているので労働者不足です。だから政府は外国人労働者の「受け入れ」を急ぎ、労働力確保に必死になっています(これはこれで、労働条件など大問題があるけど、今回は触れません)。

労働力不足ということは、雇う側の競争が激しいということです。これが、さまざまな職場で発生している「辞めることができない問題」の根本です。この状況は小泉政権後期から第一次安倍政権で生じていた「やめられない問題」と少し違います。小泉政権下で行われていたのは、新自由主義的労働政策によってどんどん人件費が削られて(非正規労働力の導入と人事考課:成果主義の導入などで給与が抑えられて)、長時間労働が生まれて、そして「もうきつくてダメ」という状況に労働者が置かれたとき、使用者が「やめることはできない」「やめたら損害賠償」などと脅かしていたような「辞められない問題」でした。これは労働者の奴隷化問題とも思えたので、一時期「蟹工船」という奴隷労働ものの戦前小説がヒットしたのです。

ところで、いま生じている労働力不足による「辞められない」は、この新自由主義政策による「蟹工船的」労働者搾り取りというレベルから、また一歩進んでいると思います。

現在の「辞められない」問題は、本当に労働力不足によって生じています。背景には、決定的な要因として日本の人口減があり、さらに主にアジア地域での賃金の上昇(メーカーの国内生産への回帰=いずれロボット化が起きるけど当面は多くの労働力を必要とする)があります。これに、東京オリンピックを控えての現場労働者不足やこの先100年以上人材確保に苦しむであろう福島原発事故処理労働力不足が底辺にあり、これらのことに引きづられてサービス業の販売員不足、窓口サービス人材の不足・・・ばどなどが、まさにドミノ倒し的に生じているのです。

つまり、いまは労働者の立場が(賃金額の問題はあるけど)、雇用契約においては強いのです。そして、使用者(会社とか)はこの関係について弱いから、必死に「辞めたい」人を引き止めます。とくに「辞められる」と自分が困る「管理職」の必死さは異様なものがあります。いずれ、「高プロ」によって、過重労働を今以上に強いられるであろう、この「比較的高所得労働者」ですが、彼、彼女たちは、まだ日本の賃金が全体的に下がっている中では「辞められない」場合が多いといえます(でも、ごく最近は「転職業者・エージェント」の動きが活発化しているようで、この層の「上手く辞めたい問題」が生じているようです)。

このような日本の状況で、「退職代行」については、はっきり言って全く必要ありません。そもそも、退職は期間の定めがない雇用契約は原則的には14日前までに通告すれば自由にできます。1ヶ月の期間を定めた契約は1ヶ月前に通知すれば基本はOK。それ以上の有期雇用契約は契約内容によります。

期間に定めのない雇用契約の労働者が辞める場合は、諸々の仕事の引き継ぎなどを考え合わせ(年次有給の消化とか、退職金の計算とかもあります)、多少時期を調整できる場合は、数ヶ月前の退職意思の表明(労働者側からの雇用契約の解約通知ができれば更に問題なく、「円満」に退職できるわけです。

ポイントは、少し余裕を持って、雇用契約内容をよく確かめて(社長や上司が認めなければ辞められないとかいう規則があっても、それは法律に違反するので無効ですが、一応確認しておきます)、キチンと「退職届」を文書で提出することです。

この場合くれぐれも「退職願い」にしてはならないということを押さえたく思います(「退職願い」は「願い」なので、会社の判断を待つという意味合いが出てしまいます)。そして、この「退職届」を会社側が受け取らなかったら、配達証明郵便とか内容証明郵便とか記録の残る形式で代表取締役宛に送付します(これも、上司ではなく代表取締役宛がよいです。ただし、就業規則などに「上司」でもOKとあれば担当する上司でもかまいません)。ネット上では「メールでの届け出で良い」という情報もありますが、メールは雇用契約に関わるような重大な情報に関する管理がどうなっているかわかりにくく、避けた方が良いです(ただし、メールでしか情報の伝達ができないような外資系の企業などはメールで伝えます)。

あとは、働きながらゆっくり私物を片付けて(辞める前に会社からの支給物と私物との区分けははっきりしておきましょう)、届け出通知した日以降は出社しないこと。この最後の日々は有給休暇の消化が可能ならば、有給休暇を消化します(有給休暇は「辞めた後」では使えません)。

こう見てくると「退職代行」はいったい、どうして必要なのかわかりません。「代行」には5万円ほどの「料金」がかかるとの情報もありますが(すべての業者が同じではない)、そもそも、「退職」は労働者と使用者の間の雇用契約の解約に関する話です。本来ならば、正式な代理人になれる弁護士の仕事です(労災ではない病気や事故問題を抱えている場合は労働者の立場に立つ弁護士を代理人とするのは有力な選択肢の一つです)。そうでなければ、単なるアドバイス・仲介ですが、これは法的にはどうか? また司法書士などが関係して文書作成料としての代金が生じるのか?このばあいは、会社が「認めない」と言ったときに、どこまでフォローがなされるのか?

労働組合は、このような退職トラブルは個人加盟方式の合同労組(ユニオン)が扱うことが多くあります。ユニオンの場合は「退職問題」は経営者との交渉なります。その場合はユニオンへの加盟が条件になるのですが(ユニオンの組合員としての退職条件交渉は、未払いになっている時間外労働賃金や諸手当についての支給を使用者=会社求めることがあります)、ユニオンによっては相談のみを受けてくれるところもあります。この場合は基本的相談料は無料です。

ユニオンが、その相談に来た労働者が加入することを視野に入れて相談を受けていると、この相談の結果(会社とのやりとりによって)、使用者=会社が労働者に不利益を与えることは違法(不当労働行為)になります。これは労働組合(その組合員)にのみ与えられている強い権利です。さらに、この労働組合員としての権利は、その労働者が次の会社に入るに当たって、ユニオンで交渉した事実や経過は伝えなくてもよい(逆に使用者は労働者にそのことを聞いてはならない)という法的な保護ともなります。

「退職代行業」って、なに? 

法のもとで労働者は自由に会社を辞めることができます。それなのに、労働者は簡単には会社を「辞められない」という俗説をもとにして、労働者の危機感を煽って仕事にしている? のでなければ良いと思います。

とにかく、退職問題は近くのユニオンに相談を。そこで、相談にもお金がかかるようなことを言われたら、それ、名ばかりユニオン(そういう仕事)なので、次を当たりましょう。

2018年4月 4日 (水曜日)

定年後再雇用問題に見る。政策の矛盾と「働かせ方改革」

定年後の極端な労働条件低下(賃金75%カット)は高年齢労働者雇用安定法(高年法)の趣旨に反するとして争われた裁判(福岡地裁、福岡高裁)の上告がなされたことについて、最高裁判所は会社が労働条件面で雇用継続できなかった労働者に100万円の慰謝料支給を認めた福岡高裁判決に対する上告を退け、高裁判決が4月1日付で確定しました。

つまり、60歳再雇用以降の労働条件の著しい切り下げは、高年法の趣旨からいって認められないという最高裁が判断したわけです。

この裁判の場合、会社が労働者に提示した60歳以降の賃金が75%カットという、異常な減給(フルタイムが認められずにパート勤務を求められた)、ということもありますが、これまで、高年法で一応65歳までの継続勤務が認められたものの、その賃金が異常に低額で、働こうにも働けないような条件なので継続雇用をあきらめたという問題は多く存在しています。少し前にこのブログでも取り上げた東京のH社の不当労働行為問題にもそれがありました(雇用継続条件が半額程度でした=この問題についてのブログ記事は、裁判で和解が成立したために削除しました)。

今回の最高裁の判断は、このように働きたくても働けないような、継続雇用に関する劣悪な労働上条件が提示され、労働者が継続雇用を断念したとき、労働者に慰謝料を会社が払わなくてはならないというもので、ある面画期的です。

しかし、問題の本質はそこにはありません。そもそも、高年法は政府が年金制度破綻を取り繕うために導入した制度ともいえ、基本は年金支給年齢を遅らせて、それまでなんとか、労働者には働いて貰って年金支給がなくても良いようにする、という発想から成立したといえます。また「働き方改革=働かせ方改革」でも「多様な働き方」などといって、結局低賃金労働、働く側の自己責任を打ち出そうとしています。その基本には労働者の生活と権利を守るという発想はありません。だから60歳以降の継続雇用に関しての労働条件については曖昧です。そして少しでも安く労働者を使いたい企業は、この雇用継続にあたって驚くべき低賃金の提案や、働いて欲しいときだけ働いてもらうパートでの雇用とかを平然と行っているわけです。

60歳までの労働者と60歳以降のしばらくの間、労働者の労働の質が大きく変わるはずはありません。しかし、企業はここで人件費を大いに浮かそうとする。単純に考えても、基本的な労働の部分(役職手当とかは別として)大きく変わらないはずです。役職手当などを引いた分の賃金が保障されるのは当然のことで、企業側の継続雇用条件の提示にあたっては、合理的な条件を示すべきであり、また、人材不足が急速に進行している今の日本では、合理的な雇用継続条件を示せる企業だけが人材を確保できるのではないかと思います。

政府はいま、70歳以降の定年を視野に入れ始めています(つまり年金の70歳以降支給です)。

 このため「高年法」の「高年齢」という言い方も変わるかもしれません。日本の労働力不足と、年間50万人以上の人口減少が続く状況になったことを考え合わせると、60歳以降の労働条件が著しく劣化しない法整備が必要であり、また、一方では、60歳以上働かざるを得ないようにした政府の年金政策に対する責任追求と、国民の半数以上の貧困層と比較的低所得層を死ぬまで働かせる「改革」となりかねない「働き方改革」(安倍政権は「多様な働き方」は「死ぬまで働く」とも取れます)の根本的批判、社会格差の解消が必要です。

2017年1月31日 (火曜日)

セブンイレブンのバイトが風邪で休んだら10時間分減給。ブラックにもほどがある!

セブンイレブン加盟店(東京都)が、風邪で欠勤したバイト店員に罰金を課したという報道がありました。25時間働いたのにも拘わらず、二日間欠勤したこと(当該アルバイトが代わりの店員を用意しなかった)を理由に、10時間分の9350円を差し引いたというのです。もちろん、この減額分は「働かなかった」時間でなく「風邪で休んでいた」時間に対してのものです。つまりセブンイレブン側は、働いた賃金のうちから10時間分を罰金として差し引いたということになります。

これは、もちろん違法。まず、風邪(風邪ならば人にうつります)の人が接客する場に出ることを避けて仕事を休むこと、これは正しい行為です。そして、このような場合、労働者には仕事をやすむ権利があります。この休みを取る権利を阻害することはできません。

次に、「罰金」を課すことが違法。そもそも、この場合、罰金の対象になるはずがありません。セブンイレブン側は、代替要員を(バイト側が)用意しなかったことを理由にしているようですが、人員の確保の責任は使用者側にあります。また、風邪(病気)で休むほどの人に代替要員を探すように求めること自体不当です。

そして、罰金の位置づけ、その罰金(この言葉はふさわしくなく、「減給」や「労働者側の責任がはっきりしている損害分の賠償」だと思いますが)については、キチンと会社就業規則の「罰則規定」に定められている必要があります。また、定められているとしても、限度があります(懲戒としての減給は1日の給与の10分の1まで)。今回の場合は、このような規定などなく、本来雇い主側に責任がある人員手配をバイトが行わなかったから10時間分の差し引いたわけで、これは完全に違法です。

問題は、時折このような違法行為を行う雇い主がいることです。ここまでの金額で無くても、仕事の「ミス」で500円とか1000円とかのペナルティーをとったり、余計働かせたり、病気になっても休みを取らせなかったりという相談が時折ユニオンに寄せられます。

働いた分の賃金を支払わないのは、泥棒行為と同じことで犯罪です。今回のセブンイレブンの問題については、犯罪を犯したのはどちらか?明白です。このセブンイレブン経営者には相応のペナルティーが課せられても良いと思います。

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(以下、朝日新聞サイトからの引用)

 コンビニエンスストアを展開するセブン―イレブン・ジャパンの東京都武蔵野市内の加盟店が1月、アルバイトの女子高校生(16)のバイト代から、かぜで2日欠勤したペナルティーとして、9350円を差し引いていた。

 親会社のセブン&アイ・ホールディングスの広報センターによると、加盟店は高校生側に「欠勤時に代わりに働くアルバイトをさがさなかったペナルティー」と説明。保護者の相談で発覚し、セブン―イレブン・ジャパンは「ペナルティーの理由が不適切で、減給の額も労働基準法に違反している」として、加盟店に高校生への謝罪と全額の返還を指示したという。

 高校生は5日間(25時間)の勤務分として2万3375円を受け取るはずだったが、加盟店は2日間(10時間)分の欠勤があったとして、給与明細に「ペナルティ」と手書きし、9350円を差し引いた。

(以下略)
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2016年4月13日 (水曜日)

NU東京の次回土曜相談は4月16日です。

ネットワークユニオン東京の土曜電話労働相談、次回は4月16日です。

相談受付時間は13時~17時。

相談を寄せられる方には、雇用契約書、就業規則などの雇用に関わる文書を手元に置かれて相談電話をかけていただくと効果的です。(そのような文書がなくても、雇用問題の経過をまとめて手元に置いておかれるとよいと思います)

なお、5月1日のメーデー、NU東京は日比谷野外音楽堂で開催される「日比谷メーデー」に参加いたします。

2015年12月21日 (月曜日)

ブラック社労士問題。私たちが経験している消極的なブラック社労士たち。

東海地方に事務所を構えるK社労士が、自身のブログで「社員をうつ病に罹患させる方法」というとんでもないタイトルを掲げて、権利主張を行う社員(K社労士はこれを「モンスター社員」などとの蔑称を用いている)は嫌がらせを行い、うつ病にして会社から追い出せば良い旨の「経営指南」をおこなっていました。日本労働弁護団や過労死問題に取り組む団体、POSSEなどの労働組織が、厚労省にこの社労士の懲戒処分を求めましたが(12月18日)、このニュースは、改めてブラック士業の問題を社会に問うものとなりました。

多くのマスメディアやブログ、SNS上で取り上げられているので改めて、問題を要約することを避けますが(この問題については、NPO法人POSSEの今野晴貴代表の見解と分析がわかりやすいので、ググってみてください)、わが「かわせみ通信」では、私たちが最近遭遇したブラック社労士まがいの社労士の行為についていくつか例を挙げます。

1、解雇問題について、会社(海外で事業展開する設計事務所)と労働組合で交渉している状況で、組合が会社に対して解雇理由を求めたところ(会社の経営悪化が理由と考えられるケース)、出された離職票に「重責解雇」(懲戒解雇に相当)するとしたケース。

 この離職票は会社社労士が作成したとされるが、重責(懲戒)解雇にもかかわらず労基署の承認もなく、かつ「懲戒理由」も本人も組合もはじめて聞くものでした。曰く「仕事が出来なかったから」と・・・・。百歩譲って仕事能力がないとしても「懲戒」はあり得ません。ましてや解雇された本人は、2級建築士であり、外国語も堪能です。この解雇理由はあり得ないのですが、社労士はその離職票をいきなり作成したのでした。

 この問題のバックにはブラックならぬ労働事件について知識のない弁護士がついていました。この弁護士たちは、自分たちのデタラメを覆い隠すために、社労士会に抗議し、弁護士会に懲戒請求を起こした私たちに(事実無根の)「損害請求訴訟」まで起こしました。まさに嫌がらせ訴訟です。そしてこの段階で、彼らは完全にブラックになりました。

 訴訟では私たち労組側が勝利し、そして離職票問題も解決しましたが(ハローワークがそのような離職票を受け取ったこと自体を間違いと認めた)、その結末は・・・。会社は一連の裁判や争議に耐えきれずに倒産してしまったのです。

 無知な社労士や弁護士が、自ら事件を引き起こして、そして結局は会社が全面的に敗北しさらには経営の破綻まで起こしたケースです。

2、特定社労士でもない社労士が労使交渉に介入して、問題を複雑化させたケース。

 神奈川の学習塾(ブラック業界と言われていますが)で、ハラスメントと過重労働で就労困難になった労働者の問題について、会社側と組合が交渉をしている状況で、会社側社労士(特定社労士ではない)が、一方的に当該労働者を解雇しながらも離職票を送らず、また解雇予告手当も支給しないという手段を取りました(傷病手当についての知識も極めて怪しいものでした)。

 加えて、この社労士は特定社労士でないにもかかわらず団体交渉に登場し、会社側の発言について「法的に問題がない」(不当労働行為発言など言い放題の会社ですが)「法律でそうなっている」などと発言しつづけました。さらに、団体交渉に必要な労働条件に関する資料の提示を「必要ない」などと、何の権限も責任もなく発言し、交渉の成立を困難にしました。

 このケースの場合、組合は社労士の所属する社労士会に業務監査を求めました。またこの問題については労働審判で(時間外賃金未払い問題含め)組合側が勝利的に解決しました。このような社労士は、会社の違法を追認するためだけの役割を果たした、消極的なブラック社労士といえます。

3、労使交渉のさなかに、雇い止め通知を「書かされた」社労士。

 東京の半導体関連製造業で高年法による雇用延長をめぐって、労使交渉で再雇用後の労働条件を労使間で交渉してるときに、会社側は一方的に組合との交渉で合意がなかったので再雇用をしないとし、「自己都合による退職」との離職票を当該労働者に渡したケース。

 解雇は不当としても明らかに会社都合であるのに「自己都合」したのは、会社の社労士であると判明。社労士には強く抗議したところ、社労士はそもそも本件問題に関しての知識がほとんどなく、会社側弁護士(経営法曹会議所属の比較的若い弁護士)の指示によるものとしました。

 会社は、このほかにも時間外賃金を一切払わず。会社側弁護士労使交渉において、労基署への相談を組合が語ると「そのようなことをすると、今後交渉は持てない」「(組合の役員について)もう辞めたらどうか」など違法発言(労基法違反や労働組合法違反)を行う始末です。

 現在、再雇用については争議状態になっていますが、労基署の指導の下で未払い時間外賃金の一部が支給されました。

 以上、3つのケースは、私たちがこの数年間に経験したケースです。個々に登場する社労士たちは基本的には「無知」であり「違法企業の言いなり」に動いています。このような社労士は「消極的なブラック」といえます。

(カワセミ)

2015年12月15日 (火曜日)

個人加盟労組ということの意味(その2-「個人」の変化1)

日本における合同労組の結成は、戦前は左翼的イデオロギーのもとで、そして戦後はGHQの戦後民主化政策と総評の「中小対策オルグ」配置によって進められてきました。

ここでいう合同労組は、職場組織を作ること、あるいは職場組織単位の活動を前提としての合同労組です。この合同労組の形成と運営には、その地域や産業(産別)に対応して配置されたオルグ(オルガナイザー:労働組合の組織者)が当たりました。

戦後(とくに1950年代から70年代)は、大企業労組ではカバーできない中小企業の労働者の組織化のために、オルグが地域に張り付いて、文字通り労働者を一人ひとり合同労組にオルグして、そしてその企業で一定の影響力を行使できる段階になると職場組織を「公然化」(組合作りが経営側に知られると、その切り崩しが行われるために、職場組織の結成通告までは、経営側に知られないように組合を準備する)しました。公然化後は同じ地域や同じ業種の労働組合の力を借りて、労働者の要求実現のために活動する形になります。

この、戦前・戦後タイプの合同労組(以後、「合同労組オリジナル」とします)とはあくまでも職場組織を前提とした合同労組なのです。この場合の「個人加盟」とは、労働組合を準備するための地域合同労組などへの個人加盟であり、その職場組合組織が結成された以降は、その職場組織の上部団体への個人加盟ということになることが多かったのです(組合結成後に、その合同労組が「企業内組合」化して、合同労組から離れてしまう場合は、その企業内労組への個人加盟となります)。

ところで、昨今の個人加盟労働組合(地域ユニオンや課題別ユニオン=これを仮に「ユニオンタイプ」とします)の場合、「個人加盟」の意味合いが「合同労組オリジナル」とはかなり性格が違います。

「ユニオンタイプ」では、「合同労組オリジナル」のように、オルガナイザーが地域でビラを配ったり、職場近くの労働者のたまり場(職場近くの居酒屋とか、地域の文化・スポーツサークルとか)で顔見知りになったりした労働者をオルグ(組合へ勧誘して)して加入させる、という経過をとらないことが多いのです。どのような形をとるかと言えば、ホームページやブログあるいはSNSなどのWEB情報、マスメディアの報道などによって、個別労働問題(解雇や退職勧奨やハラスメント、病気休職問題など)の相談や解決を求めて、個人労働者の方から労働組合に接触をしてくるのです。そして、ユニオンはこの相談に対応する中で、その相談に来た個人の問題の解決について、雇用主に対して団体交渉を申し入れます。「合同労組オリジナル」タイプでの公然化は、ユニオンタイプではいわば「ひとり公然化」として行われることが多いのです(ただし、オリジナルタイプの伝統を持つ「合同労組」は現在でも、一定の組合員が揃うまでは公然化しないことがあります)。

労働相談から、短期間のうちに労働組合に加入して、個人組合員の労働条件や労働環境について団結権と団交権を行使する。これがユニオンタイプの活動の特徴で、だから、ユニオンタイプは完全個人型合同労組ともいえます。

このオリジナルタイプからユニオンタイプへの「個人加盟」の変化にはそれなりの背景があると考えられます。詳しくは次回以降に考えたく思いますが、変化の背景として次のようなことが挙げられます。

1、労働組合の企業内化:企業別組合が企業内の労働管理部門的な役割になってしまい、地域の労働者の生活や権利について関心がなくなったこと(とくに、産業別大企業労組は無関心)

2、産業構造の変化:戦前・戦後の労働集約型で工業中心の「職場」から商業、金融、サービス業中心となり(1980年代が変わり目)、労働形態、就業状況が大きく変化したこと

3、一つの職場に働く労働者の居住地が多様化し、かつ遠隔地化したこと、あるいは個々人の思考の多様化によって、同じ職場に働く人が集まる場が少なくなった(社員旅行の中止などは象徴的)こと

4、情報処理手段の変化(IT革命以降)によって、一つの職場に働く人たちの情報交換の形態が大きく変わったこと

5、労働者一人一人の保有する情報量が桁違いに大きくなった(PCのHDD、あるいはデータ記憶媒体の中には、一人の人間が一生かけても読み切れないほどのデータが有り、また、個人が利用できるWEB上のデータは(労働分野に限っても)無限と思われるほどである、ということ

6、情報の横溢に反して、個人情報の保護や企業情報の秘密管理については厳格化されていて、特定の「他者」(隣で働いている人とか)の情報が得られにくい社会になっていること

以上の他にもまだあると思いますが、仕事と個人のあり方が数十年間の間に大きく変化した日本において、合同労組の活動スタイルや、個人加盟労組における「個人」の位置づけも大きく変化してきたのです。

(つづく)

カワセミ

2015年12月 8日 (火曜日)

個人加盟労組ということの意味(大げさに言えば歴史的変遷 その1)

私たちNU東京は、個人加盟方式のユニオン(労働組合)です。

しかし、考えてみれば、個人加盟でない労働組合などというものは存在するのでしょうか?

1)合同労組が、その加盟単位を職場労組組織とすれば、個人加盟でない

2)もしかしたら、会社に入ったら加盟することになっている企業内組合は個人加盟でない?

2)の場合は、やはり個人加盟です。形としては、まず企業内労働組合に、その企業の従業員として採用された個人が加入して、そして、その企業内組合に加入したことではじめて、その人が採用され得るのです。これをユニオンショップ制といいます。

ユニオンショップは、会社(雇用主)とその会社の労働組合が労働協約(労働組合と会社が取り結ぶ協定で、これは就業規則や労使協定よりも優先します)を結び、そのユニオンショップ協定を結んでいる労働組合の組合員でなければ社員として採用しないことになっているのです。要するに労働組合員であることが社員の条件になるのです。

このユニオンショップ協定においては、その対象を正社員の非管理職とする場合が多くありますが、その場合はパートやアルバイト、あるいは契約社員などの「非正規」従業員や管理職採用された従業員はユニオンショップの対象から外れます。

管理職をユニオンショップの対象(あるいは労働組合員の対象)から外すというのは、元々は。管理職を通しての労働組合への支配介入行為を防止するための手段であったので、それなりに納得できる面があります。しかし、「非正規」従業員を対象から外すのはどうか? ここは大いに議論が生じるところです。

話を戻します。とにかく、ユニオンショップは個人加盟の形式をとります(ユニオンショップ問題については今後触れていきます)。

で、つまり組織単位加盟による地域合同労組以外の労働組合は全て個人加盟労働組合なのです。

しかし、多くのユニオンは「個人加盟労働組合」「個人でも加盟できるユニオン」ということを前面に出して活動しています。私たちNU東京も、そう言えるかも・・・・

もう少し整理します。

実際は、個々人が加盟する労働組合(ユニオン)でも、その活動においては個人が単位にならないことがあります。それが職場組織です。○○ユニオン(○○労働組合)○○支部あるいは○○分会という形で、活動単位が支部あるいは分会とされている個人加盟ユニオンは多くあります。この場合、一人しかその会社・職場に組合員が存在しない場合、どうするのか?これまた、いくつかのケースがあって、

1)その職場に一人しか組合員がいなくても支部あるいは分会名を名乗る(そして全従業員の労働条件について要求を提示して堂々と労使間交渉を持っていく)

2)特定の地域に存在する職場に一人の組合員を集めて、その地域ごとの支部・分会を形成して、その支部・分会として組合員が存在する各企業の労働条件等について交渉していく)

3)はじめから、一人一人の組合員を組織単位として、その一人一人が働く職場での労働条件などについて、合同労組(ユニオン)が経営と交渉していく

となります。

1)と2)は、いわば古くからの合同労組のスタイルで、全国一般労働組合とか全統一労働組合は、この形を取ることが多く、3)はいわゆる「ユニオン型」で、その典型的なのが「管理職ユニオン」や「女性ユニオン」など、職場の結びつきというよりも労働者の地位・性別などの属性による労働組合です。「ユニオン型」(と仮にします)の合同労組の場合、個々人が直面している雇用問題をストレートに扱います。また、解雇・退職勧奨や休職問題、病気や職場いじめなどの個々人に関わる問題に対応しやすいという特質がある半面、企業・職場全体の雇用条件や労働環境問題には一工夫が必要(個人の持つ情報の限界もあり)という面があります。

当然、どの形式の労働組合、合同労組でも、労働三権(団結権、団交権、団体行動権=労働争議権)という、憲法28条のもとに活動できます。

つづく

(かわせみ)

2015年11月24日 (火曜日)

私たちの組合(ユニオン)のこと ☆その2 私たちのルーツ

私たちの組合(労働組合ネットワークユニオン東京/NU東京)、は1998年2月27日に結成されました。当時の本部は板橋区の板橋1丁目。中山道沿いにありました。そして、その場所は「東京管理職ユニオン」の事務所でもありました。

私たちNU東京は、東京管理職ユニオン(当時の正式名称は全労協全国一般東京労働組合管理職ユニオン、現在その運動は、東京管理職ユニオン、東京統一管理職ユニオン、管理職ユニオン・関西に分かれながらも、それぞれの組織が引き継いでいます)の活動の中から生まれた組織なのです。

1993年12月に東京管理職ユニオンは労働組合に入れないといわれていた、管理職が一人でも加入できる労働組合として、やはり個人でも加入できる合同労働組合である「全労協全国一般東京労働組合(東京労組)」の一組織として結成されました(後、東京労組から独立)。そして、東京管理職ユニオンは、管理職が直面する労働問題とともに1990年代中期、日本に吹き荒れたリストラの嵐の中で強まっていた、職場いじめ問題やメンタルヘルス問題にも積極的に取り組み、「職場いじめ問題」「リストラ部屋問題」「過重労働によるメンタル問題」などを社会に提起しました。

このような、管理職ユニオンの多様な活動の中、管理職ユニオンには、管理職でない労働者も多く加入することになり(20数年前の当時は、まだ職場いじめ・嫌がらせ問題や、職場でのメンタルヘルス問題を取り上げる労働組合は数少なかったのです)、そして、これら管理職ユニオンに加入した「非管理職」労働者のためのユニオンを結成する必要が生まれたのです。

以上のような経過で、私たちNU東京は結成され、そして、結成以降は(全国の)嫌がらせ問題やメンタルヘルス問題に対応するようになり、結成直後から「倒産・リストラホットライン」「若者トラブル・ホットライン」などを必要に応じて開設し、その活動は多くのマスメディアも取り上げるようになりました。

やがて、管理職ユニオン・関西が西日本の「非管理職」のいじめ問題に取り組むようになり、また全国各地の地域ユニオンも積極的に職場いじめ問題やメンタルヘルス問題に取り組むようになったために、現在のように東京地域(とくに隅田川の東側の23区地域)の地域合同労組として、渋谷区の事務所で活動を行うようになりました。(途中1999年夏から2002年3月までは西新宿に事務所がありました)

以上が、私たちの組織の来歴です。整理すると旧総評全国一般労働組合東京地本北部が基になって形作られた「全国一般東京労組」を源流とし、東京管理職ユニオンを「親」にして形作られ、そして現在は独自の(小さいけれども)個人加盟地域合同労組/ユニオンとして、東京渋谷区に本部をもって活動しているのが、私たちNU東京です。

次回は、全国一般系の合同労組の特徴などについて記事をアップしたいと思います。

かわせみ

(続く)

2015年11月17日 (火曜日)

私たちの組合(ユニオン)のこと ☆その1

このブログを始めてから、私たちの組合(ユニオン)のことについて、取り上げていないことに気がつきました。「別に開いているホームページをみてもらう」という意識があったためだと思いますが、それでも、やはり「自己紹介」は必要です。

ということで、これから数回は私たちの組合(ユニオン)の自己紹介と結成にいたる経過、活動の特徴などについて書いていきたく思います。

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私たちの組合(ユニオン)の名称は

労働組合ネットワークユニオン東京といいます。本部は東京都渋谷区千駄ヶ谷5-15-13にあります。

略称は「NU東京」です。

結成年月日は1998年2月27日。当時の所在地は板橋区(板橋駅と新板橋駅と下板橋駅の真ん中あたり)でした。

私たちの組合はいわゆる「個人加盟方式の合同労働組合」です。

☆合同労働組合とは

合同労働組合とは、いくつかの組合が集まって一つの組合を形成するという組織形態を持ちます。たとえば、板橋区にあるA産業の組合、B商店にある組合、C興業にある組合などなど、各企業ごとに作られた組合を一つの組織として、企業の外に本部を持つ労働組合として活動するスタイル。これを合同労働組合といいます。このようにして作られた合同労働組合は、たとえばその組合名を東京板橋合同労働組合とするならば、A産業の組合組織、B商店の組合組織、C興業の組合組織は、その東京板橋合同労組の「A産業支部(あるいはA産業分会)、B商店支部(あるいはB商店分会)、C興業の組合組織は「C興業支部(あるいはC興業分会)」などと位置づけて、その合同労働労働組合が定める(労働組合大会において定めます)の方針の下で各職場組織の活動が行われます。

合同労働組合の場合、その組合員の条件は一つの企業の従業員であることにはなく、その合同労組の「守備範囲」にある労働者ということになります。日本国憲法第28条に定められている労働三権(労働者の団結権、団体交渉権、団体行動権・争議・ストライキ権)は、この企業の外に存在する合同労働組合が持つことになります。当然、労働組合法や労働関係調整法に定められた「労働組合」は、合同労組の場合「企業の外」に存在することになります。

日本の多くの労働組合は企業別に組織され、その構成員はその企業の従業員(場合によっては正社員のみ)などとされていますが、これは企業別労働組合がその規約によって、企業外の労働者が加入できないように排他的に定めているからに過ぎません。本来労働組合はよりオープンなものです。

合同労働組合には、その組織対象(組合の「守備範囲」)を地域別、業種別、職種別、業態別など様々に定めることが出来ます。たとえば、地域を定めて、○○地域合同労働組合とした場合は○○地域に働いている労働者を対象として組織されます。業種別の合同労働組合の場合、たとえばIT技術者を対象にした場合、東京IT労働者合同労組(組合名称は自由なので、たとえば「東京ITワーカーズユニオン」などでもかまいません)というような名称となり、その対象とする業種の労働者を労働組合員として迎えます。職種別の合同労働組合としては「管理職ユニオン」などがわかりやすいと思います。管理職労働者を組織対象とする合同労働組合です。

合同労働組合には、一定の地域・職種・業種で働いている(あるいは失業している=失業者ユニオンという合同労組もかつて存在しました)労働者が様々な企業・法人から加入してくるのですが、それは必ずしも、その労働者が働く企業・法人に労働組合の組織(複数名が組合員として存在して活動している組合組織)があって、そこが職場組織として加入してくるということだけではありません。働いている個々人が一人一人、合同労働組合に加入するということもあります。このような合同労働組合は「個人でも加入できる合同労働組合」といわれています。

企業別組合は基本的に個人加入方式です。たとえばA産業労働組合というA産業の社員のみを対象としている企業別労働組合には、その企業に働くaさんbさんcは、個人としてA産業労働組合に加入するのです。だから、ともすると「個人ではいるのが合同労組」で組織ごとはいるのが「企業別組合」と思われがちですが(企業に入ると有無を言わさず特定の労働組合に加入することになる「ユニオンショップ組合」が大企業などに多いのでこう思いがちです)、基本は合同労組は組織単位(個人がその職場に職場組織を作ってから加入する)で行うという時代が戦後しばらくは続いたのです。これは戦後の日本の「民主的」な政策の一つの軸に「労働組合の結成」ということがあったので、職場単位で組合を作りやすかったという理由にもよるのです。

しかし、最近では合同労組の多くは個人加盟が中心となっています。このような組合は「個人加盟方式の(あるいは一人でも加入できる)合同労働組合」ですが、こう語るのが長々しくて面倒くさいので、簡単に「一人でも入れる労働組合」とか「個人加盟ユニオン」とか言います。

で、私たち労働組合ネットワークユニオン東京(NU東京)は「個人でも加入できる(職場単位でも加入できます)合同労働組合です。その組織対象は東京都とその周辺で働いている労働者で、業種・業態・職種は定めていません。

といっても、東京は広いので実際は、東京都の23区部の東部(隅田川以東)を除く地域を地域の目安とし、業種的・業態・職種的にはIT、アパレル、外資、公益法人(社団・財団・NPOなど)、医療、福祉、小売・サービス業、事務職、営業職、現業職などをカバーしています。また、労働者の国籍は問いません。

長くなったので、今回はここまで。

つづく。

(かわせみ)

2015年11月 6日 (金曜日)

明日は、私たちユニオンの定期大会(それにしても、この20年、労働者の生活は酷くなりました)

またまた、久々の書き込みになります。

明日11月7日は、私たちNU東京の第21回定期大会です。

この間に、多くのことがありました。一番の大きなことは、1998年から今日まで、延々と労働条件の低下が続いていることです。いわゆる正規労働者が少なくなり、契約、派遣などの「非正規」労働者が増えました。そして一世帯の収入をまかなうためには、共働きとアルバイトが必要になる家計が増えました。他方、1998年以降今日までの間に、「戦後最長の好景気」と言われる、「いざなみ景気」が、多くの労働者の生活実感とは別に生まれていた、大企業は大いに利潤を上げたようです。

要は、バブル経済崩壊後の「長期不況」下で、労働者の賃金が大いに減り、また製造業企業の製品生産の場が、より賃金の安いアジア諸国などに移り、結局は大手企業が利潤を上げたということになっているのです。

2008年にはリーマンショックがありました。これは、世界の隅々まで(旧ソ連・東欧や中国まで)市場化が進んでいくなかで、さらにバーチャルな空間(債券市場)に利潤を求めたが、それが崩壊したことで生じました。また2011年3月11日には東日本大震災と福島原発の爆発事故がありました。日本は大いに動揺しました。当時既に自民党政権は格差拡大問題(ワーキングプアなど)や相次ぐ議員の不正・スキャンダル、残業代ゼロ法案(「ホワイトカラーエクゼンプション)の導入の企てなどで、政権を追われていたのですが、その後に政権を担った民主党は、結局市場原理主義の政策以上は打ち出せず、加えて民主党と電力業界の労使共々結びつきが強かったので、原発事故にも対処できず(労働団体の「連合」は2011年のメーデーで原発事故を取り上げることを辞めたほど)、国民の支持を急速に失いました。

で、今日、労働者の状況はどうなっているかというと・・・。

いつの間にか、かつては特定の業種に限られていた「派遣」労働があらゆるところで取り入れられ、加えて、有期雇用労働者は正社員に至る道を大きく妨げられ(有期労働法制によって)、そして消費税はやがて10%にもなり、法人税は引き下げられ、貧しくなる一方の労働者は生活苦にあえぐようになっています。

アベノミクス?? なんのことでしょうか?? 賃上げするって? どこで賃上げがなされましたか? 株価が上がった? 国民の財産である年金基金などの公的資金で株を買い支えたそうですが、それで儲かったのは株屋さんと投機筋? 一説には株投資の失敗で年金の元手が大いに減ったとの報道すらあります。

世の中には、労働基準法や労働安全法を無視して、労働者を文字通り死にいたるまで酷使する企業、劣悪な雇用条件のもとで、労働者をボロ雑巾のように使い捨てる企業、すなわちブラック企業が闊歩し、これと伴って労働者いじめに荷担するブラック士業(一部の弁護士や特定社労士)がうごめいています。

労働組合は、いわゆる既婚加盟型の合同労働組合(ユニオン)が、かろうじて検討しているといえますが、今年あれほど安保法制改悪に対する運動が国会周辺などで盛り上がったにもかかわらず、また反・脱原発運動がいまも活発に繰り広げられているのに、派遣や有期雇用契約などの労働法の改革に対する運動は今ひとつです。

社会の最も基本的な部分が「労働」であることは、論を待たないのに、その労働分野、私たちの社会の基層が日々資本によって侵食されていることに、労働運動は十分に対処できていません。また、戦後長く続いた日本の企業別労働組合では、このような日本の労働の基本的問題には対処しようがないのかもしれません。

明日は、私たちNU東京の定期大会です。小さな組合ですが、なんとか現代の労働をめぐる課題に対処できるような方向性を打ち出していきたいと思うのです。

「かわせみ」の独り言でした。

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