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2017年1月 8日 (日曜日)

うつ病と診断されたら、無理せず、治療に専念を! 

千駄ヶ谷のカワセミです。

2017年 謹賀新年。

あれやこれやと忙しさやらを理由に、このブログを書かないことが多い昨年でしたが、今年は週に1回の目標を立ててアップしていきたく思います。

以下は、毎日新聞の記事です。

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うつ病休暇>半数が再取得「企業は配慮を」 厚労省研究班

 うつ病になって病気休暇を取った大企業の社員の約半数が、復帰後に再発し、病気休暇を再取得していたとする調査結果を、厚生労働省の研究班(代表者、横山和仁・順天堂大教授)がまとめた。特に復帰後2年間は、再取得する人が多かった。仕事の負担が大きな職場ほど再取得のリスクが高いことも裏付けられた。専門家は社員の職場復帰について、企業が慎重に取り組むよう訴えている。

(中略)

 その結果、うつ病を再発して病気休暇を再取得した人の割合は、復帰から1年で全体の28.3%、2年で37.7%と高く、5年以内で47.1%に達していた。職場環境について、仕事への心理的な負担を調べる検査「ストレスチェック」を職場メンバーに実施した結果、負担が大きいと感じる人の多い職場ではそうでない職場に比べ、病気休暇の再取得のリスクが約1.5倍高かった。

 休暇期間では、1回目の平均107日に対し、2回目は同157日と1.47倍に長くなっていた。1回目の休暇期間が長い場合や、入社年齢が高くなるほど、2回目の休暇が長くなる傾向もみられた。

 調査した東京女子医大の遠藤源樹助教(公衆衛生学)は「うつ病は元々再発しやすい。企業は、病気休暇の再取得が多い復帰後2年間は、特に注意を払い、時短勤務などを取り入れながら、再発防止に努めてほしい」と指摘している。

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 調査は1000人以上規模の大企業を対象にしています。だから日本の多くの勤労者が働く中小・零細企業や、外国企業の数十人~数百人の日本法人は対象ではありません。労働組合の組織比率が比較的高く、病休制度や年次有休休暇制度などの休暇取得制度が比較的整った企業を対象とした調査です(もちろん、大企業の中にも電通などのような、労働組合があっても、実際はブラックな企業もあります)。

 この調査と同じような傾向は、労働相談受付の現場である、わたしたち労組(NU東京)に寄せられる相談でも現れています。違うところは、わたしたちの場合、零細企業から大企業までの幅広い会社から相談がよせられるので、中には「有休休暇(制度)が我が社にはないといわれた」とか「休むのだったら、そのぶんの損失をどうするんだ」などという、とんでもない経営者や管理職が中小零細には時として現れるということです。

 一つの傾向として、一回目の休職期間が短くて、二回目が長くなるのは、一回目の休職期間が十分でなかった、ということがあります。

 労働者は生活のために働いていて、そして、時には働き過ぎが原因で「うつ病」になります。これには上司のパワハラや経営不振・リストラ圧力によるストレスが加わることがあり、その場合、「会社に行こうとしたら体が動かない」「通勤しようとすると頭痛がひどくてとても会社に行けない」「体が震えてしまう」などの症状があって、診断書には「うつ」のほかに「抑うつ状態」「適応障害」と書かれることもあります。専門的なことは医師の判断によります。

 このような状態になっても(動けなくなってしまった人は、医師にかかり、薬の処方などを受けて少し動けるようになってから)、労働者はどうしても「自分はまだ働ける」「少し休めば大丈夫だ」「休んではいられない」と思ってしまいます。生活を支えるため働かなければならないからです。そして、会社には「大丈夫、働きます」「もう治っています」などと伝えがちです。そして、会社も(中小・零細企業で人手不足の場合や、大企業でもその人が業務遂行に重要な位置にいる場合)、「うつ」に罹病した人を、早めに復帰させる傾向があります。ときには無理矢理働かさせるようなことすらあります。

 そして、十分治っていないために、働き始めて半年、1年と経った頃に、より重いうつ症状を起こして、二回目の休職にはいってしまう・・・・。

 問題は一度目の休職時への対応です。

 まず、ゆっくり休みましょう。会社の休職制度を最大限利用しましょう。

 病気になったという意識を持って「ちゃんとした病人」になりましょう。「うつ」の場合、心の(脳の機能に関わる)病であるため、ここがなかなか難しいのですが、心療内科や精神科の医師には、ありのままの症状を伝えましょう。そして処方された薬は処方通りに服用し、副作用(必ずあると思ってください)については、それを医師にきちんと伝えましょう(処方をされた薬を飲まないと、副作用はわからないから薬は飲みましょう、そして副作用のひどい薬は変えてもらいましょう)。

 「うつ」がひどい場合は、医師の診断を受けるだけでも一苦労です。もし家族と同居しているときは、一緒に医師の診断について行ってもらいましょう。「家族とともに治す」という発想も必要です。

 「うつ」の状態では、ネガティブな考えをもちがちです。会社との関係においては「このままでは不利になる」とかの不安や、「いっそ会社を辞めた方が良い」という考えが生じがちですが、そういうことは「うつ状態」で解決しません。治ってから考えれば良いので、治療中は、なにはともあれ治療と休養に努めましょう。

 そして、うつ治療を始めて、薬を服用し、さらに体と症状に合った薬が定まると、ときおり症状が改善したような、あるいは「もう治った」と思える状態が訪れますが(本人にとっては休み初めて3ヶ月とか半年とか、かなり「休んだ」と思えるときでも、病気はなおっていないことが多いのです)、このとき医師から離れないでください。治っているかのような状態があっても、それは薬が効いている状態かもしれません。必ず医師の診断を受け続けてください。十分に治療しないで、ここで、会社に復帰するとしばらくして再発するといえます。

 ながくなってたので、終わりにしますが、以下のことは頭に入れておいてください。

 「うつ」はゆっくり治しましょう。 医師の元できちんと治しましょう。会社の都合は気にかけないようにしましょう。あくまでも自分を治すために休みましょう。

 会社の病休制度があれば十分利用しましょう。多少の収入減はやむを得ないと割り切りましょう。

 長時間労働や過重労働、職場でのハラスメントが伴ってうつになった場合、労災を申請しましょう(労災と認定されれば、状況はかなり良くなります)。労災申請をする場合は、慌てないで、数ヶ月(あるいは半年程度)経って、ある程度回復してからで良いです。うつの重い状態での労災申請はストレスになりますから控えましょう。体を治しながら、ゆっくり、発病に至る経過についての資料作成などを行ってから申請しましょう

 無理に「働ける」と判断し、治っていないのに会社に復帰しないようにしましょう。また、会社(上司や同僚を含む)から「早く出てきてくれ」などと言われても、治るまでは会社に行かないようにしましょう。

 そして、休職しはじめの数ヶ月間は、とにかく会社のことを忘れましょう。

※うつ病の場合、都道府県の「自立支援」制度を受けると、医療費が軽減されます。抗うつ薬は高い薬なので、この制度を利用しましょう(詳しくは、行政の福祉担当窓口に連絡を!(家族や知人に手続きを手伝ってもらいましょう。この制度は申請したときから適用されるので、うつの症状で動きがとれないとき、そしてもっとも薬代がかかっている初期の医療費に対応しない、という欠点があります。医師が定まったら家族、知人から福祉担当窓口に、まず電話だけでもしてもらいましょう)。

2015年12月15日 (火曜日)

個人加盟労組ということの意味(その2-「個人」の変化1)

日本における合同労組の結成は、戦前は左翼的イデオロギーのもとで、そして戦後はGHQの戦後民主化政策と総評の「中小対策オルグ」配置によって進められてきました。

ここでいう合同労組は、職場組織を作ること、あるいは職場組織単位の活動を前提としての合同労組です。この合同労組の形成と運営には、その地域や産業(産別)に対応して配置されたオルグ(オルガナイザー:労働組合の組織者)が当たりました。

戦後(とくに1950年代から70年代)は、大企業労組ではカバーできない中小企業の労働者の組織化のために、オルグが地域に張り付いて、文字通り労働者を一人ひとり合同労組にオルグして、そしてその企業で一定の影響力を行使できる段階になると職場組織を「公然化」(組合作りが経営側に知られると、その切り崩しが行われるために、職場組織の結成通告までは、経営側に知られないように組合を準備する)しました。公然化後は同じ地域や同じ業種の労働組合の力を借りて、労働者の要求実現のために活動する形になります。

この、戦前・戦後タイプの合同労組(以後、「合同労組オリジナル」とします)とはあくまでも職場組織を前提とした合同労組なのです。この場合の「個人加盟」とは、労働組合を準備するための地域合同労組などへの個人加盟であり、その職場組合組織が結成された以降は、その職場組織の上部団体への個人加盟ということになることが多かったのです(組合結成後に、その合同労組が「企業内組合」化して、合同労組から離れてしまう場合は、その企業内労組への個人加盟となります)。

ところで、昨今の個人加盟労働組合(地域ユニオンや課題別ユニオン=これを仮に「ユニオンタイプ」とします)の場合、「個人加盟」の意味合いが「合同労組オリジナル」とはかなり性格が違います。

「ユニオンタイプ」では、「合同労組オリジナル」のように、オルガナイザーが地域でビラを配ったり、職場近くの労働者のたまり場(職場近くの居酒屋とか、地域の文化・スポーツサークルとか)で顔見知りになったりした労働者をオルグ(組合へ勧誘して)して加入させる、という経過をとらないことが多いのです。どのような形をとるかと言えば、ホームページやブログあるいはSNSなどのWEB情報、マスメディアの報道などによって、個別労働問題(解雇や退職勧奨やハラスメント、病気休職問題など)の相談や解決を求めて、個人労働者の方から労働組合に接触をしてくるのです。そして、ユニオンはこの相談に対応する中で、その相談に来た個人の問題の解決について、雇用主に対して団体交渉を申し入れます。「合同労組オリジナル」タイプでの公然化は、ユニオンタイプではいわば「ひとり公然化」として行われることが多いのです(ただし、オリジナルタイプの伝統を持つ「合同労組」は現在でも、一定の組合員が揃うまでは公然化しないことがあります)。

労働相談から、短期間のうちに労働組合に加入して、個人組合員の労働条件や労働環境について団結権と団交権を行使する。これがユニオンタイプの活動の特徴で、だから、ユニオンタイプは完全個人型合同労組ともいえます。

このオリジナルタイプからユニオンタイプへの「個人加盟」の変化にはそれなりの背景があると考えられます。詳しくは次回以降に考えたく思いますが、変化の背景として次のようなことが挙げられます。

1、労働組合の企業内化:企業別組合が企業内の労働管理部門的な役割になってしまい、地域の労働者の生活や権利について関心がなくなったこと(とくに、産業別大企業労組は無関心)

2、産業構造の変化:戦前・戦後の労働集約型で工業中心の「職場」から商業、金融、サービス業中心となり(1980年代が変わり目)、労働形態、就業状況が大きく変化したこと

3、一つの職場に働く労働者の居住地が多様化し、かつ遠隔地化したこと、あるいは個々人の思考の多様化によって、同じ職場に働く人が集まる場が少なくなった(社員旅行の中止などは象徴的)こと

4、情報処理手段の変化(IT革命以降)によって、一つの職場に働く人たちの情報交換の形態が大きく変わったこと

5、労働者一人一人の保有する情報量が桁違いに大きくなった(PCのHDD、あるいはデータ記憶媒体の中には、一人の人間が一生かけても読み切れないほどのデータが有り、また、個人が利用できるWEB上のデータは(労働分野に限っても)無限と思われるほどである、ということ

6、情報の横溢に反して、個人情報の保護や企業情報の秘密管理については厳格化されていて、特定の「他者」(隣で働いている人とか)の情報が得られにくい社会になっていること

以上の他にもまだあると思いますが、仕事と個人のあり方が数十年間の間に大きく変化した日本において、合同労組の活動スタイルや、個人加盟労組における「個人」の位置づけも大きく変化してきたのです。

(つづく)

カワセミ

2015年12月 8日 (火曜日)

個人加盟労組ということの意味(大げさに言えば歴史的変遷 その1)

私たちNU東京は、個人加盟方式のユニオン(労働組合)です。

しかし、考えてみれば、個人加盟でない労働組合などというものは存在するのでしょうか?

1)合同労組が、その加盟単位を職場労組組織とすれば、個人加盟でない

2)もしかしたら、会社に入ったら加盟することになっている企業内組合は個人加盟でない?

2)の場合は、やはり個人加盟です。形としては、まず企業内労働組合に、その企業の従業員として採用された個人が加入して、そして、その企業内組合に加入したことではじめて、その人が採用され得るのです。これをユニオンショップ制といいます。

ユニオンショップは、会社(雇用主)とその会社の労働組合が労働協約(労働組合と会社が取り結ぶ協定で、これは就業規則や労使協定よりも優先します)を結び、そのユニオンショップ協定を結んでいる労働組合の組合員でなければ社員として採用しないことになっているのです。要するに労働組合員であることが社員の条件になるのです。

このユニオンショップ協定においては、その対象を正社員の非管理職とする場合が多くありますが、その場合はパートやアルバイト、あるいは契約社員などの「非正規」従業員や管理職採用された従業員はユニオンショップの対象から外れます。

管理職をユニオンショップの対象(あるいは労働組合員の対象)から外すというのは、元々は。管理職を通しての労働組合への支配介入行為を防止するための手段であったので、それなりに納得できる面があります。しかし、「非正規」従業員を対象から外すのはどうか? ここは大いに議論が生じるところです。

話を戻します。とにかく、ユニオンショップは個人加盟の形式をとります(ユニオンショップ問題については今後触れていきます)。

で、つまり組織単位加盟による地域合同労組以外の労働組合は全て個人加盟労働組合なのです。

しかし、多くのユニオンは「個人加盟労働組合」「個人でも加盟できるユニオン」ということを前面に出して活動しています。私たちNU東京も、そう言えるかも・・・・

もう少し整理します。

実際は、個々人が加盟する労働組合(ユニオン)でも、その活動においては個人が単位にならないことがあります。それが職場組織です。○○ユニオン(○○労働組合)○○支部あるいは○○分会という形で、活動単位が支部あるいは分会とされている個人加盟ユニオンは多くあります。この場合、一人しかその会社・職場に組合員が存在しない場合、どうするのか?これまた、いくつかのケースがあって、

1)その職場に一人しか組合員がいなくても支部あるいは分会名を名乗る(そして全従業員の労働条件について要求を提示して堂々と労使間交渉を持っていく)

2)特定の地域に存在する職場に一人の組合員を集めて、その地域ごとの支部・分会を形成して、その支部・分会として組合員が存在する各企業の労働条件等について交渉していく)

3)はじめから、一人一人の組合員を組織単位として、その一人一人が働く職場での労働条件などについて、合同労組(ユニオン)が経営と交渉していく

となります。

1)と2)は、いわば古くからの合同労組のスタイルで、全国一般労働組合とか全統一労働組合は、この形を取ることが多く、3)はいわゆる「ユニオン型」で、その典型的なのが「管理職ユニオン」や「女性ユニオン」など、職場の結びつきというよりも労働者の地位・性別などの属性による労働組合です。「ユニオン型」(と仮にします)の合同労組の場合、個々人が直面している雇用問題をストレートに扱います。また、解雇・退職勧奨や休職問題、病気や職場いじめなどの個々人に関わる問題に対応しやすいという特質がある半面、企業・職場全体の雇用条件や労働環境問題には一工夫が必要(個人の持つ情報の限界もあり)という面があります。

当然、どの形式の労働組合、合同労組でも、労働三権(団結権、団交権、団体行動権=労働争議権)という、憲法28条のもとに活動できます。

つづく

(かわせみ)

2015年11月24日 (火曜日)

私たちの組合(ユニオン)のこと ☆その2 私たちのルーツ

私たちの組合(労働組合ネットワークユニオン東京/NU東京)、は1998年2月27日に結成されました。当時の本部は板橋区の板橋1丁目。中山道沿いにありました。そして、その場所は「東京管理職ユニオン」の事務所でもありました。

私たちNU東京は、東京管理職ユニオン(当時の正式名称は全労協全国一般東京労働組合管理職ユニオン、現在その運動は、東京管理職ユニオン、東京統一管理職ユニオン、管理職ユニオン・関西に分かれながらも、それぞれの組織が引き継いでいます)の活動の中から生まれた組織なのです。

1993年12月に東京管理職ユニオンは労働組合に入れないといわれていた、管理職が一人でも加入できる労働組合として、やはり個人でも加入できる合同労働組合である「全労協全国一般東京労働組合(東京労組)」の一組織として結成されました(後、東京労組から独立)。そして、東京管理職ユニオンは、管理職が直面する労働問題とともに1990年代中期、日本に吹き荒れたリストラの嵐の中で強まっていた、職場いじめ問題やメンタルヘルス問題にも積極的に取り組み、「職場いじめ問題」「リストラ部屋問題」「過重労働によるメンタル問題」などを社会に提起しました。

このような、管理職ユニオンの多様な活動の中、管理職ユニオンには、管理職でない労働者も多く加入することになり(20数年前の当時は、まだ職場いじめ・嫌がらせ問題や、職場でのメンタルヘルス問題を取り上げる労働組合は数少なかったのです)、そして、これら管理職ユニオンに加入した「非管理職」労働者のためのユニオンを結成する必要が生まれたのです。

以上のような経過で、私たちNU東京は結成され、そして、結成以降は(全国の)嫌がらせ問題やメンタルヘルス問題に対応するようになり、結成直後から「倒産・リストラホットライン」「若者トラブル・ホットライン」などを必要に応じて開設し、その活動は多くのマスメディアも取り上げるようになりました。

やがて、管理職ユニオン・関西が西日本の「非管理職」のいじめ問題に取り組むようになり、また全国各地の地域ユニオンも積極的に職場いじめ問題やメンタルヘルス問題に取り組むようになったために、現在のように東京地域(とくに隅田川の東側の23区地域)の地域合同労組として、渋谷区の事務所で活動を行うようになりました。(途中1999年夏から2002年3月までは西新宿に事務所がありました)

以上が、私たちの組織の来歴です。整理すると旧総評全国一般労働組合東京地本北部が基になって形作られた「全国一般東京労組」を源流とし、東京管理職ユニオンを「親」にして形作られ、そして現在は独自の(小さいけれども)個人加盟地域合同労組/ユニオンとして、東京渋谷区に本部をもって活動しているのが、私たちNU東京です。

次回は、全国一般系の合同労組の特徴などについて記事をアップしたいと思います。

かわせみ

(続く)

2015年11月17日 (火曜日)

私たちの組合(ユニオン)のこと ☆その1

このブログを始めてから、私たちの組合(ユニオン)のことについて、取り上げていないことに気がつきました。「別に開いているホームページをみてもらう」という意識があったためだと思いますが、それでも、やはり「自己紹介」は必要です。

ということで、これから数回は私たちの組合(ユニオン)の自己紹介と結成にいたる経過、活動の特徴などについて書いていきたく思います。

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私たちの組合(ユニオン)の名称は

労働組合ネットワークユニオン東京といいます。本部は東京都渋谷区千駄ヶ谷5-15-13にあります。

略称は「NU東京」です。

結成年月日は1998年2月27日。当時の所在地は板橋区(板橋駅と新板橋駅と下板橋駅の真ん中あたり)でした。

私たちの組合はいわゆる「個人加盟方式の合同労働組合」です。

☆合同労働組合とは

合同労働組合とは、いくつかの組合が集まって一つの組合を形成するという組織形態を持ちます。たとえば、板橋区にあるA産業の組合、B商店にある組合、C興業にある組合などなど、各企業ごとに作られた組合を一つの組織として、企業の外に本部を持つ労働組合として活動するスタイル。これを合同労働組合といいます。このようにして作られた合同労働組合は、たとえばその組合名を東京板橋合同労働組合とするならば、A産業の組合組織、B商店の組合組織、C興業の組合組織は、その東京板橋合同労組の「A産業支部(あるいはA産業分会)、B商店支部(あるいはB商店分会)、C興業の組合組織は「C興業支部(あるいはC興業分会)」などと位置づけて、その合同労働労働組合が定める(労働組合大会において定めます)の方針の下で各職場組織の活動が行われます。

合同労働組合の場合、その組合員の条件は一つの企業の従業員であることにはなく、その合同労組の「守備範囲」にある労働者ということになります。日本国憲法第28条に定められている労働三権(労働者の団結権、団体交渉権、団体行動権・争議・ストライキ権)は、この企業の外に存在する合同労働組合が持つことになります。当然、労働組合法や労働関係調整法に定められた「労働組合」は、合同労組の場合「企業の外」に存在することになります。

日本の多くの労働組合は企業別に組織され、その構成員はその企業の従業員(場合によっては正社員のみ)などとされていますが、これは企業別労働組合がその規約によって、企業外の労働者が加入できないように排他的に定めているからに過ぎません。本来労働組合はよりオープンなものです。

合同労働組合には、その組織対象(組合の「守備範囲」)を地域別、業種別、職種別、業態別など様々に定めることが出来ます。たとえば、地域を定めて、○○地域合同労働組合とした場合は○○地域に働いている労働者を対象として組織されます。業種別の合同労働組合の場合、たとえばIT技術者を対象にした場合、東京IT労働者合同労組(組合名称は自由なので、たとえば「東京ITワーカーズユニオン」などでもかまいません)というような名称となり、その対象とする業種の労働者を労働組合員として迎えます。職種別の合同労働組合としては「管理職ユニオン」などがわかりやすいと思います。管理職労働者を組織対象とする合同労働組合です。

合同労働組合には、一定の地域・職種・業種で働いている(あるいは失業している=失業者ユニオンという合同労組もかつて存在しました)労働者が様々な企業・法人から加入してくるのですが、それは必ずしも、その労働者が働く企業・法人に労働組合の組織(複数名が組合員として存在して活動している組合組織)があって、そこが職場組織として加入してくるということだけではありません。働いている個々人が一人一人、合同労働組合に加入するということもあります。このような合同労働組合は「個人でも加入できる合同労働組合」といわれています。

企業別組合は基本的に個人加入方式です。たとえばA産業労働組合というA産業の社員のみを対象としている企業別労働組合には、その企業に働くaさんbさんcは、個人としてA産業労働組合に加入するのです。だから、ともすると「個人ではいるのが合同労組」で組織ごとはいるのが「企業別組合」と思われがちですが(企業に入ると有無を言わさず特定の労働組合に加入することになる「ユニオンショップ組合」が大企業などに多いのでこう思いがちです)、基本は合同労組は組織単位(個人がその職場に職場組織を作ってから加入する)で行うという時代が戦後しばらくは続いたのです。これは戦後の日本の「民主的」な政策の一つの軸に「労働組合の結成」ということがあったので、職場単位で組合を作りやすかったという理由にもよるのです。

しかし、最近では合同労組の多くは個人加盟が中心となっています。このような組合は「個人加盟方式の(あるいは一人でも加入できる)合同労働組合」ですが、こう語るのが長々しくて面倒くさいので、簡単に「一人でも入れる労働組合」とか「個人加盟ユニオン」とか言います。

で、私たち労働組合ネットワークユニオン東京(NU東京)は「個人でも加入できる(職場単位でも加入できます)合同労働組合です。その組織対象は東京都とその周辺で働いている労働者で、業種・業態・職種は定めていません。

といっても、東京は広いので実際は、東京都の23区部の東部(隅田川以東)を除く地域を地域の目安とし、業種的・業態・職種的にはIT、アパレル、外資、公益法人(社団・財団・NPOなど)、医療、福祉、小売・サービス業、事務職、営業職、現業職などをカバーしています。また、労働者の国籍は問いません。

長くなったので、今回はここまで。

つづく。

(かわせみ)

2015年11月 6日 (金曜日)

明日は、私たちユニオンの定期大会(それにしても、この20年、労働者の生活は酷くなりました)

またまた、久々の書き込みになります。

明日11月7日は、私たちNU東京の第21回定期大会です。

この間に、多くのことがありました。一番の大きなことは、1998年から今日まで、延々と労働条件の低下が続いていることです。いわゆる正規労働者が少なくなり、契約、派遣などの「非正規」労働者が増えました。そして一世帯の収入をまかなうためには、共働きとアルバイトが必要になる家計が増えました。他方、1998年以降今日までの間に、「戦後最長の好景気」と言われる、「いざなみ景気」が、多くの労働者の生活実感とは別に生まれていた、大企業は大いに利潤を上げたようです。

要は、バブル経済崩壊後の「長期不況」下で、労働者の賃金が大いに減り、また製造業企業の製品生産の場が、より賃金の安いアジア諸国などに移り、結局は大手企業が利潤を上げたということになっているのです。

2008年にはリーマンショックがありました。これは、世界の隅々まで(旧ソ連・東欧や中国まで)市場化が進んでいくなかで、さらにバーチャルな空間(債券市場)に利潤を求めたが、それが崩壊したことで生じました。また2011年3月11日には東日本大震災と福島原発の爆発事故がありました。日本は大いに動揺しました。当時既に自民党政権は格差拡大問題(ワーキングプアなど)や相次ぐ議員の不正・スキャンダル、残業代ゼロ法案(「ホワイトカラーエクゼンプション)の導入の企てなどで、政権を追われていたのですが、その後に政権を担った民主党は、結局市場原理主義の政策以上は打ち出せず、加えて民主党と電力業界の労使共々結びつきが強かったので、原発事故にも対処できず(労働団体の「連合」は2011年のメーデーで原発事故を取り上げることを辞めたほど)、国民の支持を急速に失いました。

で、今日、労働者の状況はどうなっているかというと・・・。

いつの間にか、かつては特定の業種に限られていた「派遣」労働があらゆるところで取り入れられ、加えて、有期雇用労働者は正社員に至る道を大きく妨げられ(有期労働法制によって)、そして消費税はやがて10%にもなり、法人税は引き下げられ、貧しくなる一方の労働者は生活苦にあえぐようになっています。

アベノミクス?? なんのことでしょうか?? 賃上げするって? どこで賃上げがなされましたか? 株価が上がった? 国民の財産である年金基金などの公的資金で株を買い支えたそうですが、それで儲かったのは株屋さんと投機筋? 一説には株投資の失敗で年金の元手が大いに減ったとの報道すらあります。

世の中には、労働基準法や労働安全法を無視して、労働者を文字通り死にいたるまで酷使する企業、劣悪な雇用条件のもとで、労働者をボロ雑巾のように使い捨てる企業、すなわちブラック企業が闊歩し、これと伴って労働者いじめに荷担するブラック士業(一部の弁護士や特定社労士)がうごめいています。

労働組合は、いわゆる既婚加盟型の合同労働組合(ユニオン)が、かろうじて検討しているといえますが、今年あれほど安保法制改悪に対する運動が国会周辺などで盛り上がったにもかかわらず、また反・脱原発運動がいまも活発に繰り広げられているのに、派遣や有期雇用契約などの労働法の改革に対する運動は今ひとつです。

社会の最も基本的な部分が「労働」であることは、論を待たないのに、その労働分野、私たちの社会の基層が日々資本によって侵食されていることに、労働運動は十分に対処できていません。また、戦後長く続いた日本の企業別労働組合では、このような日本の労働の基本的問題には対処しようがないのかもしれません。

明日は、私たちNU東京の定期大会です。小さな組合ですが、なんとか現代の労働をめぐる課題に対処できるような方向性を打ち出していきたいと思うのです。

「かわせみ」の独り言でした。

2013年3月18日 (月曜日)

安倍政権の賃上げ政策は内実がない。効果的な賃上げは最低賃金の大幅引き上げと、ただ働きの根絶。

安倍政権は、労働者の給与を上げるとしているが、実際には全くその感がない。

マスメディアは自動車大手メーカーや大手コンビニ業で賃上げがあると報じていますが。アベノミクスで大儲けしそうな自動車産業はさておき、コンビニ業界の賃上げもかなり怪しく思えます。

まず、賃上げは「賞与」についてというところが多く、この「賞与」なるものの査定が以下に実施され、それがどのように実際の賃上げになるかが不明です。

それに、今回「賃上げ」するとした多くの企業の賃上げ対象者は「正社員」であり、各企業とも「非正規」社員を大幅に増やしているので、実際は職場で賃上げ対象者が何人なのか?ということもあり、さらに同じ職場で働いている(コンビニも)同じユニフォームを着た人でも、実は会社が違う人もいるわけですから、コンビニ業界の「賃上げ」など、かなり「名ばかり賃上げ」と言えるのではないか?と思われます。

私たちが日常受けている相談でも、賃下げ、解雇、正社員から契約社員への変更、契約社員からアルバイトへの変更、そしてそれとともに行われる退職勧奨という相談が目立ちます。

いったいどこに「賃上げ」の現場があるのか? 

きっと安倍政権は、一定程度「大企業」の「正社員」の賃上げが落ち着いた段階で、大企業正社員の平均賃上げ率などを出して、「確かに賃上げがあった」などと政策の実現をアピールするのだと思いますが、それはごまかし統計もので全く信じるに足りません。

ところで、もっとも手っ取り早くて、しかも全業種、全企業規模にわたる実質的な賃上げの方法は、サービス残業の廃止(当然、時間外労働はすべて法にかなった割増賃金を支払う)。そして最低賃金の大幅な引き上げです。また、年次有給休暇の取得率の向上も雇用を生み出します。

要は、労働政策を見直すことです。これは残業代未払い法(ホワイトカラーエクゼンプション)の導入を過去に図り(失敗した)、また正社員の解雇自由を検討する安倍自民党政権には荷が重すぎると思いますが、賃上げを政策として打ち出した以上、そのくらいのことはやらねばなりません。

このままゆくと、2%の政策インフレが強行されるなかで、賃金のみが目減りするという最悪な状況にいたります。そして社会には不満が醸成され、蓄えられていくことになります。

そして、矛盾だらけの政治的経済対応の「アベノミクス」が破綻し、賃金が実質目減りする事態が訪れたとき、安倍政権(あるいはその後の政権)がとる策は、改憲のうえ「強靱な国家」を前面に出し、た軍拡・強権策になるのでしょうか? それこそ日本破滅のシナリオです。

政府の掛け声ややマスメディアの報道とは大きく隔たりがある労働現場の声を、日々の労働相談で受けながら、本当に心配になります。

2013年3月 7日 (木曜日)

NU東京の15年間の相談結果から(その1、IT労働者)

以下の文は、NU東京の機関紙である「おれんじ」165号(本年3月1日号)に掲載された記事を基にしています。

-----------☆

NU東京が15年間に受けた労働相談データを基にして、「日本の労働者」(少し大げさ)の状況を考えてみたく思います。

NU東京にはIT労働相談が多い?

  NU東京の特徴として、組合員にいわゆるIT関連の労働者が多いということがあります。2013年3月1日現在で、NU東京の支部・分会組織を持たない組合員の37%がIT労働者です。ライジングサン支部、帝産東整労、VAN分会の「非IT部門労働者」を加えた全組合員中でも25%を占めます。たしかに多い?

 2012年1年間に、NU東京に寄せられた労働相談件数は352件でした。そのうちIT関連労働者からの相談が48件なので、相談におけるIT労働者比率は14%ということになります。
 NU東京に寄せられる相談(ホットライン開設時の相談を除くもので、カルテが作成された相談)のうちIT労働者からの相談は15年間を通じて14%(3707件中519件)という結果が出ています。つまり相談受付件数では全体の14%であるIT労働者が組合員の37%を占めているのです。これはNU東京へのIT労働者の加入比率が高いのか?あるいは加入後の脱退率が低いのか? いずれ詳しく分析してみたく思います。

かつては時代の寵児

 では、IT労働者はどのように状況に置かれているのでしょうか?
 NU東京が結成されたのは1998年2月27日でした。日本の産業構造が製造業中心から非製造業(流通、金融、サービス、情報)に大きく変わろうとしているまさにその時代に、時代の寵児のように登場したのが「IT労働者」です。1998年、海の向こうではまさにITバブルが開花しようとしており、日本では「2000年問題」の解決に向けてIT労働者の不足が嘆かれていました。2000年には自民党政権の森首相による「イット(IT)」発言もありましたが、時代はIT労働者にとって前途洋々たるもの、のはずでした。
 1998年にNU東京に相談を寄せたIT労働者のうち、年収額が確認できている労働者6名(相談件数13名)のうち、特殊な1名(IT技術がないのに入社して、すぐに減給された労働者で年収は200万円)を除く5名の平均年収は640万円と比較的高額でした。

過酷な労働環境下のIT労働

 ところが、それから15年。IT労働者の賃金は下がり続け、労働環境も悪化し続けています。常に新しい知識と技術を求められ、同時に毎年大量のあらたなIT労働者が労働力市場に投入される現在、多くのIT労働者は大企業の2次、3次下請け、さらにその下請けで低賃金で働く、まさに「IT蟹工船」状態に置かれています。
 2012年にIT労働者から寄せられた48件の相談のうち年収がわかる相談は26件で平均年収は450万円でしたが、250万円に届かないIT労働者からの相談が6件ありました。また、年収で600万円程度のIT労働者でも、1ヶ月の時間外労働時間が常に150時間を超える労働者もいます(時間外賃金をキチンと計算し、週40時間労働に換算すると年収300万円以下になります)。IT労働者のおかれている状況は過酷といえます。

2013年2月25日 (月曜日)

3月7日(木)~9日(土)に、関西地域で「年度末! 解雇・雇止めホットライン」開設。

派遣パートユニオン・関西と管理職ユニオン関西の共催による労働相談ホットライン、「年度末!解雇・雇止めホットライン」(労働相談ホットライン)が、3月7日(木)~9日(土)の3日間10時~18時の時間帯で開設されます。

次第は以下の通りです。

日時:2013年3月7日(木)~9日(土)の10時~18時

ホットライン電話番号

 大阪 06-6881-0781/0110

 神戸 078-360-0450

主催:派遣パートユニオン・関西/管理職ユニオン・関西

↓開催主旨は以下のサイトへ。

http://www.ahp-union.or.jp/hotline130307.pdf

☆東京地区の年度末雇止め/解雇相談は、NU東京へ

03-5363-1091 受付時間12時~19時(平日のみ)

2013年2月14日 (木曜日)

有給休暇の届け出(時季指定)について、ポイントを押さえておこう。

年次有給休暇の取得に関する相談は、「相談の定番」ともいえるものです。「上司から、我が社には有給休暇はないといわれた」とか「有給休暇取得について理由を聞かれ、その内容によっては認められない」あるいは「退職前に残りの有給休暇を使い切ろうとしたら、退職日を早められてしまって有給休暇を使えなくなった」などなど、です。

いうまでもなく、年次有給休暇は、労働基準法で定めれらていて(最低の基準が定められている)、雇い入れ日から起算して6か月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続しまた分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない(労基法39条)と定められています(以降徐々日数が増え、雇い入れ日から6年半で年間20日までの有給休暇が取得できます)。

年次有給休暇について考えるとき、そのポイントは・・・・

年次有給休暇の取得(年休権)は、労働者の権利であり、この権利について経営者が「取得を認める」とか「休暇を認める」など言えないということです。

労働者が年次有給休暇を取得するとき(有給休暇の届けを出すとき)、それは労働者が「年休権」の「時季指定権」を行使するということになり、この労働者の時季指定権に対して、経営者(使用者)が行えることは、労働者が請求した時季に有給休暇を与えると「事業の正常の運営を妨げる場合」に、その時季でない時季に有給休暇を取ることを求めること(時季変更権)だけです。

また、年次有給休暇の利用率を高めるための、労使協定による「計画年休」ということがあり、この場合は労使の合意によって年次有給休暇の計画的取得を定めます(しかし、労働者一人につき5日間の自由に取得できる有給休暇は確保しなければなりません)。

以上のように、年次有給休暇とは

①労働者が持つ年休権の行使であり

②具体的には(有給取得届を出すとは)、労働者が年休権の時季指定を行うことで

③この年休権の行使に対して経営者(使用者)は、それを「認める」とか「承認する」というような立場にはなく

④「事業の正常な運営を妨げる」ような重大な場合(つまり、簡単には生じない場合)にのみ経営者(使用者)は「時季変更権」を行使できる(これは年休権を前提にしている)

ということになります。

ですから、労働相談に寄せられる事が多い「会社が有給休暇を認めてくれない」とか「理由によって認められる」とかいうことは、論外なのです。

なお、有給休暇の残りを退職日前に一括して取得することは、これについて経営者が時季変更権を行使する根拠が無く(辞めるのだから、変更する日がない)、無条件で労働者の有給休暇取得届(時季指定権)が生きるわけですが、現実には経営者はこのような場合経営者(使用者)が、法を無視して嫌がらせを行うことがあります。退職間際になって、このようなトラブルに遭遇して、転職に影響するのも考えものです。

退職する場合、残余の年次有給休暇は早めに消化しておくことを勧めます。

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