明日は、私たちユニオンの定期大会(それにしても、この20年、労働者の生活は酷くなりました)
またまた、久々の書き込みになります。
明日11月7日は、私たちNU東京の第21回定期大会です。
この間に、多くのことがありました。一番の大きなことは、1998年から今日まで、延々と労働条件の低下が続いていることです。いわゆる正規労働者が少なくなり、契約、派遣などの「非正規」労働者が増えました。そして一世帯の収入をまかなうためには、共働きとアルバイトが必要になる家計が増えました。他方、1998年以降今日までの間に、「戦後最長の好景気」と言われる、「いざなみ景気」が、多くの労働者の生活実感とは別に生まれていた、大企業は大いに利潤を上げたようです。
要は、バブル経済崩壊後の「長期不況」下で、労働者の賃金が大いに減り、また製造業企業の製品生産の場が、より賃金の安いアジア諸国などに移り、結局は大手企業が利潤を上げたということになっているのです。
2008年にはリーマンショックがありました。これは、世界の隅々まで(旧ソ連・東欧や中国まで)市場化が進んでいくなかで、さらにバーチャルな空間(債券市場)に利潤を求めたが、それが崩壊したことで生じました。また2011年3月11日には東日本大震災と福島原発の爆発事故がありました。日本は大いに動揺しました。当時既に自民党政権は格差拡大問題(ワーキングプアなど)や相次ぐ議員の不正・スキャンダル、残業代ゼロ法案(「ホワイトカラーエクゼンプション)の導入の企てなどで、政権を追われていたのですが、その後に政権を担った民主党は、結局市場原理主義の政策以上は打ち出せず、加えて民主党と電力業界の労使共々結びつきが強かったので、原発事故にも対処できず(労働団体の「連合」は2011年のメーデーで原発事故を取り上げることを辞めたほど)、国民の支持を急速に失いました。
で、今日、労働者の状況はどうなっているかというと・・・。
いつの間にか、かつては特定の業種に限られていた「派遣」労働があらゆるところで取り入れられ、加えて、有期雇用労働者は正社員に至る道を大きく妨げられ(有期労働法制によって)、そして消費税はやがて10%にもなり、法人税は引き下げられ、貧しくなる一方の労働者は生活苦にあえぐようになっています。
アベノミクス?? なんのことでしょうか?? 賃上げするって? どこで賃上げがなされましたか? 株価が上がった? 国民の財産である年金基金などの公的資金で株を買い支えたそうですが、それで儲かったのは株屋さんと投機筋? 一説には株投資の失敗で年金の元手が大いに減ったとの報道すらあります。
世の中には、労働基準法や労働安全法を無視して、労働者を文字通り死にいたるまで酷使する企業、劣悪な雇用条件のもとで、労働者をボロ雑巾のように使い捨てる企業、すなわちブラック企業が闊歩し、これと伴って労働者いじめに荷担するブラック士業(一部の弁護士や特定社労士)がうごめいています。
労働組合は、いわゆる既婚加盟型の合同労働組合(ユニオン)が、かろうじて検討しているといえますが、今年あれほど安保法制改悪に対する運動が国会周辺などで盛り上がったにもかかわらず、また反・脱原発運動がいまも活発に繰り広げられているのに、派遣や有期雇用契約などの労働法の改革に対する運動は今ひとつです。
社会の最も基本的な部分が「労働」であることは、論を待たないのに、その労働分野、私たちの社会の基層が日々資本によって侵食されていることに、労働運動は十分に対処できていません。また、戦後長く続いた日本の企業別労働組合では、このような日本の労働の基本的問題には対処しようがないのかもしれません。
明日は、私たちNU東京の定期大会です。小さな組合ですが、なんとか現代の労働をめぐる課題に対処できるような方向性を打ち出していきたいと思うのです。
「かわせみ」の独り言でした。
« さて総選挙、きっぱりと安倍政権にNON! しかし、どこに投票しよう? | トップページ | 私たちの組合(ユニオン)のこと ☆その1 »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- NU東京結成20周年を祝う会が持たれました。(2018.07.05)
- 「うつ」の治療は薬離れの時が難しい(ゆとりをもって、ゆっくりと)(2017.01.17)
- 明日は、私たちユニオンの定期大会(それにしても、この20年、労働者の生活は酷くなりました)(2015.11.06)
- さて総選挙、きっぱりと安倍政権にNON! しかし、どこに投票しよう?(2014.12.02)
- アベノミクスのインフレ政策で、残業ゼロラインが引き下げられたら・・・!将来は現在年収500万円レベルも残業代ゼロとなる。(2014.06.18)
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- 5月1日(水)はメーデー。日比谷メーデーへの参加を!(2019.04.04)
- これは既に異常な国家になっているのでは?労働運動から安倍政権の腐敗を考える。(2017.03.06)
- 明日は、私たちユニオンの定期大会(それにしても、この20年、労働者の生活は酷くなりました)(2015.11.06)
- さて総選挙、きっぱりと安倍政権にNON! しかし、どこに投票しよう?(2014.12.02)
- アベノミクスのインフレ政策で、残業ゼロラインが引き下げられたら・・・!将来は現在年収500万円レベルも残業代ゼロとなる。(2014.06.18)
「労働組合」カテゴリの記事
- VAN(株式会社ヴァンヂャケット)の子会社が突如「解散」。組合員を解雇!(2023.01.12)
- 5月1日(水)はメーデー。日比谷メーデーへの参加を!(2019.04.04)
- NU東京結成20周年を祝う会が持たれました。(2018.07.05)
- 日本は労働者不足。こんな時は、キチンと要求。(2017.06.02)
- これは既に異常な国家になっているのでは?労働運動から安倍政権の腐敗を考える。(2017.03.06)
「仕事」カテゴリの記事
- 保険外交員搾取(さくしゅ)被害弁護団が、2月14日に相談ホットラインを開設。(2019.02.18)
- そんなことまで商売に?「退職代行業」に思う。(2018.07.30)
- 「突然の配転」の原因、労働者不足を認識できない会社の経営危機(2018.04.16)
- 定年後再雇用問題に見る。政策の矛盾と「働かせ方改革」(2018.04.04)
- 日本は労働者不足。こんな時は、キチンと要求。(2017.06.02)
「雇用条件」カテゴリの記事
- 5月1日(水)はメーデー。日比谷メーデーへの参加を!(2019.04.04)
- どこまで有効?「年5日の年次有給休暇の確実な取得」について考える。(2019.01.22)
- そんなことまで商売に?「退職代行業」に思う。(2018.07.30)
- 定年後再雇用問題に見る。政策の矛盾と「働かせ方改革」(2018.04.04)
- 政府の「働き方改革」、1月80-100時間の時間外労働時間限度は根本的に間違っている。(2017.03.13)
「ホワイトカラーエグゼンプション」カテゴリの記事
- 定年後再雇用問題に見る。政策の矛盾と「働かせ方改革」(2018.04.04)
- 明日は、私たちユニオンの定期大会(それにしても、この20年、労働者の生活は酷くなりました)(2015.11.06)
- さて総選挙、きっぱりと安倍政権にNON! しかし、どこに投票しよう?(2014.12.02)
- アベノミクスのインフレ政策で、残業ゼロラインが引き下げられたら・・・!将来は現在年収500万円レベルも残業代ゼロとなる。(2014.06.18)
- 安倍政権の賃上げ政策は内実がない。効果的な賃上げは最低賃金の大幅引き上げと、ただ働きの根絶。(2013.03.18)
「リストラ」カテゴリの記事
- 「突然の配転」の原因、労働者不足を認識できない会社の経営危機(2018.04.16)
- うつ病と診断されたら、無理せず、治療に専念を! (2017.01.08)
- NU東京の次回土曜相談は4月16日です。(2016.04.13)
- ブラック社労士問題。私たちが経験している消極的なブラック社労士たち。(2015.12.21)
- 個人加盟労組ということの意味(その2-「個人」の変化1)(2015.12.15)
「働く」カテゴリの記事
- そんなことまで商売に?「退職代行業」に思う。(2018.07.30)
- NU東京結成20周年を祝う会が持たれました。(2018.07.05)
- 「突然の配転」の原因、労働者不足を認識できない会社の経営危機(2018.04.16)
- 月100時間、2ヶ月連続80時間の時間外労働!過労死労働の合法化は許されない。(2017.03.13)
- これは既に異常な国家になっているのでは?労働運動から安倍政権の腐敗を考える。(2017.03.06)
「派遣」カテゴリの記事
- 個人加盟労組ということの意味(その2-「個人」の変化1)(2015.12.15)
- 個人加盟労組ということの意味(大げさに言えば歴史的変遷 その1)(2015.12.08)
- 私たちの組合(ユニオン)のこと ☆その3 全国一般労働組合のこと(2015.12.01)
- 明日は、私たちユニオンの定期大会(それにしても、この20年、労働者の生活は酷くなりました)(2015.11.06)
- アベノミクスのインフレ政策で、残業ゼロラインが引き下げられたら・・・!将来は現在年収500万円レベルも残業代ゼロとなる。(2014.06.18)
「職場」カテゴリの記事
- うつ病と診断されたら、無理せず、治療に専念を! (2017.01.08)
- 個人加盟労組ということの意味(その2-「個人」の変化1)(2015.12.15)
- 個人加盟労組ということの意味(大げさに言えば歴史的変遷 その1)(2015.12.08)
- 私たちの組合(ユニオン)のこと ☆その2 私たちのルーツ(2015.11.24)
- 私たちの組合(ユニオン)のこと ☆その1(2015.11.17)
「労働条件」カテゴリの記事
- 5月1日(水)はメーデー。日比谷メーデーへの参加を!(2019.04.04)
- 「突然の配転」の原因、労働者不足を認識できない会社の経営危機(2018.04.16)
- 定年後再雇用問題に見る。政策の矛盾と「働かせ方改革」(2018.04.04)
- 日本は労働者不足。こんな時は、キチンと要求。(2017.06.02)
- 月100時間、2ヶ月連続80時間の時間外労働!過労死労働の合法化は許されない。(2017.03.13)
「労働環境」カテゴリの記事
- 5月1日(水)はメーデー。日比谷メーデーへの参加を!(2019.04.04)
- どこまで有効?「年5日の年次有給休暇の確実な取得」について考える。(2019.01.22)
- 「突然の配転」の原因、労働者不足を認識できない会社の経営危機(2018.04.16)
- 定年後再雇用問題に見る。政策の矛盾と「働かせ方改革」(2018.04.04)
- 日本は労働者不足。こんな時は、キチンと要求。(2017.06.02)
「労働契約」カテゴリの記事
- そんなことまで商売に?「退職代行業」に思う。(2018.07.30)
- 定年後再雇用問題に見る。政策の矛盾と「働かせ方改革」(2018.04.04)
- セブンイレブンのバイトが風邪で休んだら10時間分減給。ブラックにもほどがある!(2017.01.31)
- NU東京の次回土曜相談は4月16日です。(2016.04.13)
- ブラック社労士問題。私たちが経験している消極的なブラック社労士たち。(2015.12.21)
「長時間労働」カテゴリの記事
- どこまで有効?「年5日の年次有給休暇の確実な取得」について考える。(2019.01.22)
- 「突然の配転」の原因、労働者不足を認識できない会社の経営危機(2018.04.16)
- 月100時間、2ヶ月連続80時間の時間外労働!過労死労働の合法化は許されない。(2017.03.13)
- 政府の「働き方改革」、1月80-100時間の時間外労働時間限度は根本的に間違っている。(2017.03.13)
- 基本は週40時間労働。月80-100時間の時間外労働法制化には大反対。(2017.03.10)
「原子力発電」カテゴリの記事
- これは既に異常な国家になっているのでは?労働運動から安倍政権の腐敗を考える。(2017.03.06)
- 明日は、私たちユニオンの定期大会(それにしても、この20年、労働者の生活は酷くなりました)(2015.11.06)
- さて総選挙、きっぱりと安倍政権にNON! しかし、どこに投票しよう?(2014.12.02)
- アベノミクスのインフレ政策で、残業ゼロラインが引き下げられたら・・・!将来は現在年収500万円レベルも残業代ゼロとなる。(2014.06.18)
- NU東京結成15周年の日に、思いつくまま書きます。(2013.02.27)
「労働行政」カテゴリの記事
- 5月1日(水)はメーデー。日比谷メーデーへの参加を!(2019.04.04)
- どこまで有効?「年5日の年次有給休暇の確実な取得」について考える。(2019.01.22)
- 日本は労働者不足。こんな時は、キチンと要求。(2017.06.02)
- 月100時間、2ヶ月連続80時間の時間外労働!過労死労働の合法化は許されない。(2017.03.13)
- 政府の「働き方改革」、1月80-100時間の時間外労働時間限度は根本的に間違っている。(2017.03.13)
「 アベノミクス」カテゴリの記事
- 定年後再雇用問題に見る。政策の矛盾と「働かせ方改革」(2018.04.04)
- 政府の「働き方改革」、1月80-100時間の時間外労働時間限度は根本的に間違っている。(2017.03.13)
- これは既に異常な国家になっているのでは?労働運動から安倍政権の腐敗を考える。(2017.03.06)
- 明日は、私たちユニオンの定期大会(それにしても、この20年、労働者の生活は酷くなりました)(2015.11.06)
- アベノミクスのインフレ政策で、残業ゼロラインが引き下げられたら・・・!将来は現在年収500万円レベルも残業代ゼロとなる。(2014.06.18)
この記事へのコメントは終了しました。
« さて総選挙、きっぱりと安倍政権にNON! しかし、どこに投票しよう? | トップページ | 私たちの組合(ユニオン)のこと ☆その1 »
コメント