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2013年1月 8日 (火曜日)

IT技術者の低賃金化と、「バーチャル会社」での過酷労働

IT労働者が高給を取っていたのは遙か昔のこと。私たちNU東京が結成された当時(1998年)は、年収500万以下のIT労働者は、「え? 仕事内容にしては賃金安いんじゃないの?」などという会話も良くあったし、年収1000万程度のIT技術者もまたまだユニオンの周りにいました。

しかし、いまは、一部上場企業の管理職技術者でも、なかなか1000万レベルはいません。そのレベルを確保するには上場企業が作った下請け会社の取締役の地位に収まるか(じつは本社から追い出されている)、自ら起業して「成功」する他はなくなっています。

IT労働者の低賃金化の背景には、自社ソフトを開発している企業が成り立たなくなり、「派遣」「業務委託」企業化しているということがあります。このような場合、かつては10人程度のソフト開発会社が数百人規模の会社になったりしますが、労働者の賃金は上がりません。ただ、使い捨てのパーツとしての労働者がそこにはいます。また、企業の経営者も「技術畑」から「営業畑」出身者が多くなり、技術職の人間を軽く見る傾向が生まれます。

それで、まだ、会社が何ものかを作っている、あるいは作っている会社の末端にいれば、IT労働者はそれなりに、働きがい?もスキルアップもあり得たかもしれません、しかし、最近はもっと過酷な労働現場が生まれています。

最近、Web上で詐欺的な商売をしていたベニーオークションが話題になりました。幾人もの有名芸能人がそのサクラになり虚偽のコメントを載せていた事件です。

じつは、このような詐欺的組織にも、雇用されているIT労働者が必ずいます(Webサイト管理や、システム構築あるいは簡単なソフト作り、ゲームの管理)。そこでの労働条件がどうなっているのか?

いまや、インターネットなしには経済活動が出来ないような世の中ですが、インターネット上に咲き乱れる「店舗」や「情報発信サイト」のうち、どれほどまでがまともなのでしょうか? 占いサイトに、出会い系サイト、情報交換サイトや人の紹介サイト? それらには数名から数十名のIT労働者が働いています。そして、その労働条件たるや劣悪そのもの、労基法などは全く無視の、労働時間あたりの賃金が500円を超えない違法労働が横行しています。

働いているのは20歳前後から20代中頃までのIT技術者たちが多く、雇われ社長(誰に雇われているかは不明の場合も)も20~30代! かれらは会社に寝泊まりし、十分な休みもなく働き続け、そして身体をこわしていきます。その数たるや全国に何万人いるのでしょうか? 私たちが昨年から今年にかけて相談を受けた数社でも、数百人を超えます。

なかには、会社の実態がない会社もありますから、このような「Web上の会社」で発生した未払い賃金をどうするかというと、その取り立てはなかなか難しい。過重労働で身体をこわして休み、その後会社に行ってみると跡形もなくなくなっていた、なんて話もあります。

労働局やら労基署は、このようなバーチャルな会社の問題には、本気になりません。アドバイスは「裁判をやったら」とか「労働組合に入ったら」とか・・・・。つまり門前払いです。

IT労働、Web上での経済活動に対しては、そこに働く労働者の保護と、積極的な労基法違反の取り締まりが必要です。

労働者には、バーチャル会社の過酷労働の中での未払いに対しては、すぐに会社を辞めて、すぐに未払賃金い請求を起こすことを勧めます。

最後に、このようなバーチャル会社の多くは、自らの系列(あるいはその「会社」が)、求人・求職サイトを立ち上げて、そこで人集めをしていることがあります。このような「食虫植物」的な会社に要注意!

(カラス)

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