半ばパワハラ的に解雇を認めろという弁護士。粗製濫造が原因? しかし質の劣化にはあきれてしまう。
解雇理由が成り立たないのにも関わらず、従業員に「解雇」を告げ、そして、そのような不当な解雇に従業員が筋道を立てて抗議すると、突如、会社の代理人という弁護士が出てきて、「争っても勝ち目はない」などと、半ば恫喝的に和解に持ち込むケースがあります。
弁護士といっても、すべての人が人権を守り、正義を実現しているとは限りません。昔から洋の東西を問わず悪者あるいは敵役の弁護士が登場する話はよくあります。
しかし、最近、これは、いくらなんでも酷い!と思ってしまう「とんでも弁護士」が増加しているのではないか?
労働組合法や労働基準法、あるいは憲法などお構いなしにパワハラ、煽りを繰り返すような某大阪市長弁護士は別格として、「おいおい、弁護士がそんなこというのか」というケースが後を絶ちません。
たとえば、この1年間の相談からすると・・・・。
職場で暴力をふるわれて、出勤が出来なくなり、どう考えても被害者としかいえない女性職員に対して、「10万円」しか出せないからこれで辞めるように、と圧力をかけた弁護士がいました(解雇予告手当だってそれ以上の額になる)。
また、唯一の解雇理由が「気にくわないから」として解雇された20代の女性に対して、「若い女性が争っても勝ち目はないから」と、10万円にも満たない和解金を提示した弁護士がいます。
これらの弁護士の、特徴は、まず、会社側の代理人として「解雇は正当」を出すのではなく、「弁護士」としての自分を前面出して、「弁護士が言うのだから、あなたたちに勝ち目がない」ような論を展開し、そして、最後に「もし争うならば、受けて立つ」みたいなことを言い放つということです。(訴訟になれば、仕事になるからそれも良いという考えか?)
とんでもないことです。法も正義もあったものではない。単なるパワハラです。こういう弁護士に限って、いざ、訴訟となるとボロボロになるというのは、私たちユニオンは経験的にわかるのですが、いままで「弁護士」などという者と話をしたことがない人は、強つ威圧されてしまいます。
弁護士法の第1章第1条は、弁護士の使命として次のように示されています。
第1条 弁護士は基本的人権を養護し、社会正義を実現することを使命とする。
そして第2条(弁護士の職責の根本基準)にはつぎのようにあります。
第2条 弁護士は、常に、深い教養の保持と高い品性の陶やに努め、法令及び法律事務に精通しなければならない。
司法試験制度の「改革」(法科大学制度とあわせての)によって、ここ数年間で弁護士の数は急増しましたが、悪貨が良貨を駆逐するようにならないことを望みます。
そうそう! 数年前に私たちのユニオンはあまりにも酷い弁護士がいたので、懲戒請求をしたところ、懲戒請求したことや、私たちのニュースに「悪徳弁護士」と書いた(そのような事実は全くなく、ただ、その弁護士の思いこみに過ぎない)、ということで、1000万円近い損害賠償請求訴訟を起こされたことがありました(当然、ユニオンの勝ち)。
これなどは、無駄に裁判を起こして血税を無駄にしたわけですけれど、弁護士会の身内で行っている「懲戒制度」でなく、第三者による弁護士監視システムが必要かもしれません。
※当然、人権と正義のために心身を削るように活動している弁護士たちが少なからずいます。だからこそ、日本における弁護士の社会的地位が保証されているのです。半面、これらの弁護士の活動の成果をかすめ取るように蠢く「とんでも弁護士」の存在は大問題です。
(かわせみ)
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