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2011年2月 9日 (水曜日)

IT労働者の労働条件・労働環境は悪化し続ける。

昨年(2010年)1年間に、私たちの組合(NU東京)に寄せられた労働相談(電話あるいは面談で、一定の時間=だいたい15分以上=の時間をかけて、雇用と労働についてなされた相談)の件数は303件でした。件数としては2008年秋の「リーマンショック」以降の相談件数の急増がおさまり、2007年以前のレベルに戻ったいえます。

NU東京の場合、「ネットワークユニオン」という名前からか、あるいは所在地(東京都渋谷区)の関係からか、3303件中74件と、いわゆるIT・情報処理業界の人からの相談が目立ちます(それに、組合員の4分の1はプログラマ、SEなどです)。

このIT業界から寄せられる相談の内容が年々深刻化してきています。

長時間労働、先の見えない雇用契約期間、派遣(二重、三重派遣)問題などは10年以上前からありますが、最近はそれに低賃金と雇用不安が加わっています。いまや賃金額と労働時間から割り出した、「時給」が800円台、あるいは最低賃金を切るIT労働者からの相談が寄せられても、驚かなくなってしまいました。

例えば、「年俸」を300万とされ、しかも年間の時間外労働時間が600時間を超えてしまうケース・・・!!突発的事態や、「契約の期間を守る」ために、36協定を超えて長時間でエンドレスに働かされるケース・・・!半面、仕事がない、会社がアブナイ、という理由で、雇用契約期間(しかも半年程度の短期間)内にもかかわらず、「自宅待機」などといわれ賃金が払われないケース・・・。

これらはいずれも法的にも大きな問題があり違法なケースがありますが、それでもIT労働者は働く。そして働いて身体をこわすと、会社から「休職期間満了」で「解雇」と言われる。いや、解雇ならまだ良い方で「自然退職」とか「契約終了」などと言われて、事項都合退職扱いにされてしまうケースが多くあります。

最近2年は、派遣先から本社に戻ってみると、あるいは病気休養から復帰しようとしたら、会社が無くなっていたという問題も目立っています。このようなケースでは多額の未払い賃金も発生します。

使用者は、過重な労働、劣悪な労働環境で「壊れた」労働者に代えて、常に新しい(若い)、なによりもより賃金が安い労働者を雇い替えてゆきます。なんと前時代的な労働力の使い捨てでしょうか?

そもそも、IT・情報処理の従事者は「高度で専門的機能」を有するがゆえに、例外的に変形労働機関や長時間労働が「認められてきた」(私たちNU東京は、過重労働は認めませんが)経過があります。しかし、それは少なくとも年収1000万円以上で、健康に配慮がされた職場環境で、一仕事が終われば、十分な休暇・休養が取れる労働が前提でなければなりません。

労働基準監督署は、今日も、IT企業の使用者から提出される「超長時間労働」を前提とするかのような、例外事項付きの36協定を受け続けている(認め続けている)のですが、労働実態を見ない労働行政のあり方は、日本のIT職場を荒廃させていきます。

いまや、「蟹工船」的職場となっているIT職場。そこではたらく労働者が日々壊れ、また新たに雇われ、さらに壊れていくという、この流れは海外での安いIT労働力の取得へと進みますが、それもやがて「日本の企業」としては限界がきます。他国資本に身売りするか、他国に本部を移転するか・・・。

そのとき、日本には何が残っているのでしょうか?

(谷のウグイス)

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