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2008年9月 4日 (木曜日)

自民・公明案の「残業月60時間以上で5割増賃金」は、過重労働を生むだけ。

時間外労働無しで暮らせる社会を!

福田政権は崩壊しましたが、崩壊の前に、政府与党(自民・公明)は、時間外労働について、1ヶ月60時間以上の労働について5割増賃金を支給するという労基法改正案をとりまとめたとされます。

---自民、公明両党は28日、現行は一律25%の時間外労働の賃金割増率について、月に60時間を超える部分は50%とすることなどで大筋合意した。長時間労働を強いる企業に負担増を求め、労働時間短縮を図るのが狙いで、日本経団連も容認する構え。与党は野党とも協議したうえで、国会で継続審議となっている労働基準法改正案を超党派の議員立法で修正、9月12日召集予定の臨時国会で成立させる方針だ」(8月29日、毎日新聞記事)---

この時間外労働については、当初は経済界・自民党側が「80時間以上で5割増」としていましたが、月80時間という時間外労働が、過労死水準にあることから大きな批判を浴びていたものです。

では、月60時間ならば良いのか? 

そもそも、現労働基準法で定められている1日8時間、週40時間労働とは、これ以上働かせてはならないという基準です。なぜならば、労働者は生活のために雇用されて働きますが、そのためには睡眠時間などの最低8時間の休息、そして食事や「自分のため」に最低8時間が必要だからです。この1日8時間労働の考え方は労働組合運動によって100年以上前に確立しました。

しかし、日本ではこれが疎かにされてきました。賃金が安いから時間外も働かなければ生活できない、あるいは時間外をただ働きすることで一定の賃金が支払われるというのが現状です。この現状こそ変えていかなければなりません。

一昨年。自民・公明政権は、時間外労働について賃金を払わなくても良いとする「ホワイトカラーエグゼンプション」を改正労働基準法に導入しようとして、国民の猛反発を受けました。また、「管理職」「店長」という肩書きがついているためにいくら働いても時間外労働賃金が払われずに過重労働で苦しんでいる「名ばかり管理職」の問題も社会的に大きく注目されました。

ホワイトカラーエグゼンプション問題、長時間労働問題の根底には、人間を単に利潤を生むための道具・機材としか思わない考え方があります。だから、たとえ長時間労働でも、賃金を払いさえすれば良いという(法的に定めれば問題ない)という考えも安易に出てきます。

しかし、人間は自分の時間を持つ権利があり、憲法でも健康で文化的な生活を営む権利は保障されています。

残業は基本的に禁止、そして、週40時間労働でも健康で文化的な生活を送れるような政策と社会が求められているのです。現行の労働基準法で1日8時間労働、週40時間労働が定められている意味は、この労働時間が一つの限界ということなのです。

もし、自民党・公明党の思惑通り法改正が行われれば、現行では労働基準法36条で、労使の協定によって残業・時間外労働時間を定めることとなっている(多くは30時間から50時間の協定が結ばれている)ものが、無制限に60時間までの時間外労働が行われ、加えて60時間を超える労働すら蔓延する恐れがあります。

週60時間の残業を、割増賃金を払えばよしとする、自民党と公明党の考えは、根本的におかしいといえます。

(秋の雀)

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