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2006年8月24日 (木曜日)

年次有給休暇の常識

労働相談を受けていると、年次有給休暇についての違反事例がとても多く、またそれが違反であると思っていない方が多いという現実に直面します。年次有給休暇について労働基準法違反が見られる会社は、他の法律違反を行っているケースが多く、会社の遵法度の指針にもなります。

年次有給休暇は、休暇の理由にかかわらず、労働者から請求があった場合、使用者が与えなければならない休暇です。

「ですから、使用者にとっては、年休はいつも突然労働者から請求されることになります」(東京都産業労働局発行「職場に活かす使用者のための労働法」より)

そして、年次有給休暇は使用者側が業務命令でとらせることはできません。例外として、使用者側に時季変更権というものがありますが、これはその労働者が休むと会社業務に重大な支障が生じるような場合ですが、これには使用者側のきちんとした理由が必要です。単に会社が忙しいからとかの理由ではだめです。それに、よくある相談のケースとして、一年中「忙しく」て有給休暇がとれないということがありますが、これは会社が十分な人員を確保していないことに問題があるので、会社が時季変更権を行使するには根本的に問題があるといえます。

当然、有給休暇の理由によって「認められない」ということがあってはならないし、理由を聞くことも不当なことです。

さらに、年次有給休暇は前年分の未消化日数が次の年に繰り越します(時効が2年)。たとえば10年間働いている人が10日間の前年分有給休暇が未消化である場合、当年分を20日とすると30日分の有給休暇を取得できます(労基法上の最低基準です。会社によってはもっと休暇日数が多い場合があります)。

以下は、よくある違反の事例です。

1、「うちの会社には有給休暇は無い」とされ有給休暇が取れない。

2、有給休暇を申請すると、理由を聞かれ(あるいは申請書に「理由」を記すように求められ)、理由によって認められない場合がある。あるいは、病気の場合は診断書の添付を求められる。

3、有給休暇の労基法上の最低日数を下回っている(たとえば、6ヶ月勤務の後の1年間は8日など)。あるいは、前年度から繰り越しているはずの休暇日数がカットされる。

4、忙しいからといって有給休暇を一年のほとんどの期間認めない。

5、アルバイトだから、パートだからといって有給休暇を認めてくれない(週30時間以上あるいは週5日以上は出勤の場合は、初年度=6ヶ月経過して出勤率が8割以上の場合=の後年10日発生。週に1日のパート・バイトでも6ヶ月後には年1日の有給休暇が発生します)。

6、有給休暇を取得すると精勤手当(皆勤手当)などの手当が付かない。

7、有給休暇日数が年を追っても増えていかない(週30時間以上、あるいは週5日以上勤務の場合、初年度10日、次年度11日、以降12日、14日、16日、18日、20日と年間20日まで法で定める日数が増えていきます。週1日働く人でも、3年目には年3日間の有給休暇が発生します(週1日の場合は年間3日が法で定める最高日数)。

※以上はいずれも労働基準法で定められた最低限の基準です。会社によっては年次有給休暇日数がこれよりも多い場合があります。

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